Legato店長の一言

メタルワークの作業(Vol.4,5)から、サーフェスマウント基板製作(Vol.7-9)の間に、
隔離された小さな部屋が。
ここではトーンアームを作る作業をしていました。

ここで作業が出来るのは、さすがに誰でもというわけにはいかず、試験を通った本当にごく数名・・2、3名?だけとのこと。
机上に垂直に立つアームボードにアームを取り付け、アームのスイングの状態を見たり、
アームに聴診器を当てて慎重に音を聞いたり、・・と言っても、音楽ではなく、ベアリングのメカノイズがないか、ひっかかりがないかなど無音で、アームの仕上がりを確認するのです。

詳しくは、熟練工に直接聴いた方が分かりやすい。こちらの動画へGO!

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ところでこの部屋は、熟練工の聴覚、視覚、触覚などの感覚で物事が進行する場所で、他のパートとは隔離されています。
そして、この設備は実は日本から移設されたものだとか。

「移設」?
少し時を遡ります。
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かつてLINNのアームは「メイド・イン・ジャパン」でした。

1972年、アイバーがLP12を掲げてLINNを創設しましたが、始めは自社製のピックアップを持っていませんでした。
自分で作ったターンテーブルLP12を持って各地を回っていたアイバー、「やはり自社のアームが作りたい。」
そして、ラスベガスのオーディオのショーで、日本人の「Itohさん」と出会います。

アイバーはその方に、こんなアームが作りたいと伝えます。
「ストレートアームで、13mmφ直径のパイプ。ヘッドシェル固定。軽いけど剛性が高いモノ。」

当時、軽量針圧合戦華やかなりし頃、大メーカーがリクエストするものとは、まるで正反対だったのだそうです。
「コスト度外視、作りたいものを作る。」

そうして出来たのが初代「ITTOK LVⅡ」
Itohさんの名前に因んで「ITTOK」に「Las Vegas」で出会った「Itoh & Ivor」・・ってことで、「Ⅱ」なわけです。
※Itohさんは、当時アナログプレーヤー関連の部材(アームパイプ、出力コネクタ、ベアリング・・etc)の調達を取り仕切っていらした方のお一人

ITTOK LVⅢ、AKITO初代と日本で製作され、その後はCD全盛の波に押されたこともあり、上のアーム製作設備を「移設」して、スコットランドで製作するようになったのだそうです。

そして完全な「メイド・イン・スコットランド」になった初のアームは「EKOS」。
由来はフランス語の「Ecosse」。その意味は「スコットランドの」。
それは、全てスコットランドで作りたかったというアイバーの思いの表れでしょう。
それだけ「自社製」に対して責任と愛情をかけている。

しかし、その製品登場のバックグラウンドに「メイド・イン・ジャパン」が大きく一躍買っていたというのは、
何とも嬉しい話ではないでしょうか。
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写真はRADIKALのモーターの耐久テストの図。
RADIKAL発売の2009年以来、止まることなく回り続けています。

LINN メーカーサイト

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