Legato EYES

朝の電車で軽く読みたい、

短い時間で読めるもの、
とりあえず、何かで時間が空いた時に読むもの
鞄に1冊入れておくことにしていますが、
これが最近の素敵な1冊。
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池波正太郎 むかしの味
食べることが好きだった池波は、小説の中にもいかにも美味しそうに食事の様子が描かれるし、小説を離れてもこのたぐいの本を何冊か手に取った気がします。
実家の本棚にあった厚さ1cmくらいのこの本は、邪魔にならないサイズと思って何の気なしに鞄に投げ込んだ1冊。
バスの中でページを開いたら、引き込まれてしまいました。
食べ物の話って、食べた本人以上に面白いことはあんまりないと思いますが、
(父の「美味しかった話」は、「そんなに言うなら連れて行け」と、家族の間で不評。)この本は、食べ物についてこと細かい描写があるというより、紹介されている名店ーお店のことが書かれています。
そこに日本のこころみたいなのが感じられて、懐かしいような寂しいような、ふわっとセンチメンタルな気分になります。
その気分を、ここまで香ってくるような食事の描写が暖かい幸せなものにしてくれています。
当たり前のことですがこの時代でさえ「昨今」といって、昔を懐かしんだりしているところもあり、それからすると今は「どーなっちゃうの!?」と思います。
形だけをまねても、こころを継承していかないと、薄っぺらいものになるだろうし、
気負いだけがあっても技術が伴わなければ認めてもらえないでしょう。
形から入って行くうちに、こころを知る場合もあるでしょう。
何がいいというのはないと思いますが、こういう本を読んだら、沢山の人とシェアしたくなる。
説教じみたことが書かれているわけではない、でも忘れちゃいけない、すごく大切なことがたくさん書かれている本でした。
お腹透いている時には目の毒ですが・・・笑
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