使いこなし

コーネッタがLegatoに入ってその後・・・

FACEBOOKでは、アッテネーターの調整の模様などをアップしておりましたが、入った次の朝弦がうるさかったので、アッテネータの調整をしてうるささを抑えたりしていました。
背面のアッテネータ。
写真の右がENERGY、左がROLL OFFの調整。
ENERGYはダイヤルの真ん中がフラットで、プラス・マイナスそれぞれ2づつ高域を上げ下げ可能。
左のダイヤルのROLL OFFは、ダイヤル一番左がフラットで、高域の下を3段階に下げられるというもの。(クロスオーバーの図で行くと、高域を減衰させる角度が変わる)
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上の写真だと、Energyが+1で、Roll OFFが1段階減衰させているという見方。
この調整にはまり、朝の調整の弦のうるささをおさえるのに、アッテネータを色んなパターンで試してみていました。
これがこうなるなら、こう・・・。
じゃ、こっちをあげると???という具合に。
もちろんフラットから始めたのですが、フラットの状態で音が中抜けして全然ダメだったので、アッテネータ調整に至ったのでした。
曲の合う/合わないが有るのは仕方ないとして、うるさくならないこと、定位がよいこと、キレはあるので生々しい感じがする、というところで、「これでいこう」と調整を終えました。
昨日、FACEBOOKを見た馴染みのお客様が来店。
3LZを持っている方で、ユニットこそ違えど、同じ10インチ。
自宅のが箱が大きくなって、コーナー型にした雰囲気を味わえるってことだよね、と数曲試聴。
浮かない表情で、なんかボーカルがグッとこない、というか中域がやせているというか、、、とコメント。
10インチスピーカーで箱を大きくしたら無理ってことなのかなぁ。
お客様的は初めて聴くものなので、白い気持で、聴いて感じたことを仰っているのがわかり、こちらは焦るあせる。
アッテネータを変えたのを聴いて頂いたり、スピーカーケーブルの吊るしている部分を替えたり、そのたび「変わったかわった」と仰られるものの、根本解決に至らず、またねーと帰って行かれました。
どーっと暗い気分になり、ステレオサウンド38号を眺めながら、食事をして、今日はダメだ、帰ろう。
次の朝、「今日はいい1日(=音)でありますように」と祈る気持ちで出社。
早速鳴らし、アッテネータを再度調整。
しかし、お客様の仰っているところは至極もっともで、音が中抜けしていて・・・
「中抜け!?」
スピーカーとスピーカーの間で、ボーカルは真ん中に定位しているものの、ボーカルとスピーカーの間の音がぽっかりないのを「中抜け」と言っていて、それを避けるために、私は現代スピーカーはあまり振りの角度を大きくしないようにしています。
TANNOYのスピーカーの角度を、外振りにしていたため、横にあるVenereにもろにぶつかって中域が聴こえにくくなっていた模様。
外ぶりを抑え、コーナーに対して真っ直ぐに替えると、中域は豊かになり、音の密度感が増してきました。

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もしや・・・と、アッテネータをフラットにすると、「これが一番いいじゃない!」
アッテネータに翻弄され、肝心かなめのスピーカーの位置調整だったという、間抜けな話ですが、きちんとした音が出てみると・・・
・・・
TANNOY オートグラフに憧れる。
でも大きさも価格も「夢」のような非現実さ。
そんな中、当時手に入りやすいTANNOYのユニットHPD295を使って「夢」へ近づけるべくステレオサウンドでキャビネット製作が企画されました。それがこの「コーネッタ」。
(1976年ステレオサウンド38号)
その思いはなみなみならないものだったでしょうし、「オートグラフの雰囲気持っているけど、雰囲気だけ」というのでは、その情熱を昇華することもできなかったでしょうから、本家と違うのは大前提でもどこかでコーネッタなりの音の良さがあったはずなのです。
きちんと鳴って、やっとその良さがわかりました。
当時の人の努力と情熱に、ちょっとホロッとしました。
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