LINN

せっかく昨日Factoryの内部まで入ったので、もう少し奥へ行ってみることにいたしましょう。
・・・ということで、今日もスコットランド便り。

いきなり1枚目が足元からで失礼いたします。
工場内部へ入るためには、昨日の最後の写真の白衣と、この赤い静電気防止用バンドを装着します。
グレーのひょろっとした紐の先が地肌に触れているように・・とのこと。
慌ててタイツに穴を空けました。
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では中に入りましょう!
・・と、足を一歩、二歩と進めたところで、いきなりストップ。
「既に何度も聞いている話だろうけど、一応説明・・」
早く進みたいのはわかっているけどね。

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黄色いドアの向こうから写真手前に進むので、構造的には逆です。何か取りに行ったのかな。

創始者のアイバー・ティーフェンブルンが、自分の為に買ったステレオで、満足の行く音が得られなかった。その「なぜ」から全てがはじまったのは、LINNマニアの方は一度耳にしている話かもしれません。

ガイド役のスティーブンは、もう少し詳しく話してくれました。
「そのステレオのターンテーブルを部屋から出して、部屋の外で回したらその方が断然音が良かった。それがLP12の最初のアイディアにつながった。
そして今に至るのです。(※)」

その一つの「なぜ」と、それに対する自分なりのアクションから全てが始まった。
案外何でも最初はそんなものかもしれません。
一つの「なぜ」は、一つの「答え」と5つの「なぜ」を連れてくる。
そしていかに知らないことが多いかを知ることで、自分の内側に世界が広がって行く。
それを外に出せるかどうかは、その人の力と、何かの巡り合わせかもしれません。

あ。また、自分世界に入っていました。
現実に戻りましょう。

「・・・プロトタイプのLP12を作り、自分で持って回ってたくさんの人に聞かせた・・・それで、アイバーと奥さんは、製品を作るのに必要なものすべてをこの場所で供給しようと考えたんです。
金属切削工場キャッスル・ プレシジョン・エンジニアリングの経営をしていたお父さんの工場の横に自分の工場を作り、
80年代半ばには目的に沿った建物を建築家のリチャード・ロジャースに依頼しました。」
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リチャード・ロジャースは、ロンドンのミレニアムドームや、フランスのポンピドゥー・センターで有名な建築家とのこと。
創設13-15年くらいで、既に名の通っている建築家に頼んで作ったというのは、何となくスゴイ。
自分の製品に、よほどの信念と自信がないと、出来ないことです。

スコットランドやイングランドは「ケチ」だと聞くけれど、どうでしょう。
「ケチ」の観点が違うような気がしてきました。
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Kyoko、話を聞いているかい?続けていいかな?
・・失礼、失礼!
「リチャード・ロジャースは、アイバーの趣味の一つ『航海』に因んで、船のデザインをFactoryの各所に盛り込んだんだよ。」
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ハ!元々LINN GINZAのショールームとして始まったLegatoの建物の丸窓や、2F試聴室のカーブした壁・・
クイーンエリザベスⅡ世号にLINNのシステムが載っているからと説明していましたが、ここからきているのかも!?
・・というか、クイーンエリザベス号に搭載されたのも、きっとアイバーの趣味が何らかのきっかけになったのでしょう。

「LP12」という1つのアクションから、世界は外に広がっていったのですね。

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ウーーーーーン、中々先に進まない。
この調子だと半年かかります。
「自分で見てきた方が早い」と言われそうですが、我慢してお付き合いください。

明日はスコットランドの話題から一旦離れます。
ちなみにブログのカテゴリー「スコットランド」で、この関連を読めるようにしておきます。

文中の(※)
お部屋の中でターンテーブルを回したら、スピーカーの振動が床に伝わり、ターンテーブルがハウリングした、あるいは、スピーカーによる部屋の振動がターンテーブルに伝わって、良い音が得られなかったのでしょう。
「LP12が良いターンテーブルである」ことを実証するための、最も分かりやすい証拠の1つとして、「高いハウリングマージン」を思い出してみると、合点がゆきます。

 

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