Legato EYES

映画は、ハリウッド黄金時代、ヌーベルヴァーグ、昔の日本映画、ゴッドファーザーでなければ、基本的にはノン・フィクションや伝記もの、歴史ものがすきです。

「The Iron Lady」では、英国発の女性首相をメリル・ストリープが快演(怪演まではいかないので)。
マリオン・コティヤールはまっすぐ伸びた美しい姿勢を折り曲げてピアフの晩年を演じていて、アカデミー主演女優賞を獲得。
時には「J.エドガー」に、またある時は「ハワード・ヒューズ」になるレオナルド・ディカプリオは、若い頃の優男の風情は面影もないですが、今のほうが好きで名優と思っています。
しかし、そんな名優をもってしても、映画で取り上げられるような人は、相当な人物であることが主で、中々そのオーラまで表現するのは難しいのかもとも思います。
それでも、伝記ものって、その人を知る術の1つとして、興味深い。
先日手に取った「ダイアナ」。
ナオミ・ワッツは美しい人だし、ヘアスタイルも似せてダイアナさん特有の首のかしげ方も取り入れていましたが、そのうんぬんは・・・。
かえってダイアナさんのカリスマ性を浮き彫りにした感じがしました。
20151121_1326609
それでも上述したように、ダイアナさんを知る術の1つとして、充分な作りの映画だと思います。
映画は、ダイアナ妃の離婚前から最期までを描き、ご本人の恋愛を軸に話が進みます。
実際のところどうだったかとか、何が真実かはもう誰にもわからないことで、
この映画を観たからダイアナさんのことがわかるというものではありません。
でも、物心ついた頃からTVで美しい姿を見て、
遠い日本で一人の子どもがその圧倒的なオーラに驚いているのです。
青いドレスを纏ったダイアナ妃の姿は脳裡にやきついているのは、私だけではないでしょう。
小学生、中学、高校、大学と、いつもダイアナさんの美しさやスキャンダルをタイムリーに受け取っていたので、最期の事故の時には私でさえショックな出来事でした。
そういう事柄が時系列で並べられて見て、
映画の最後に、
地雷撲滅の運動をしていたダイアナさん亡きあと、
地雷廃絶への動きが急速に進んだこと、
対人地雷の廃業に同意した国は160カ国を超えたこと・・・
が、ナレーションされるのを見ると本当に考えてしまいます。
失わないと分からないという人間の性のやるせなさや、
世界はどれほど大きな人を失ったのか、とか、
本当に色々考えてしまう。
だって、ダイアナさんが亡くなったのは36歳で、ワタシとっくにその年齢を超えているんです。
駄目38歳も、時にこうした偉人に触発されて、大きなことが出来なくても、地道に何か前に向かって行きたいと思うのでした。
コメントは利用できません。