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日曜美術館で北斎の読本挿絵の特集をやっていて、ぼんやり眺めておりました。
「漫画」ですね。
というか、今の漫画のルーツだと思いました。

以前手にした、高階秀爾氏著「日本美術を見る眼」(岩波現代文庫)で読んだのだと思いますが・・日本の美術と西洋美術の圧倒的な違いは二次元と三次元(意訳かもしれません・・)ということが書かれていました。

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北斎の絵でも、現代の漫画でもほとんどが二次元。比べて西洋美術は遠近法や色の使い方などで、三次元を構成します。

しかし、日本の美術のすごいのは、二次元なのにものすごい臨場感があること。
北斎など、そこにはない線を画面に加え、また画面に描かれる小道具の動きによって、一つの画面に動きをつける。この辺に漫画のルーツを見るのですが、二次元の臨場感というのは、方法は違えど北斎に始まったことでなく、蒔絵にしろなんであれ古くから多くその感じは見られると思います。

西洋美術は反対に、三次元なのに時間が止まっているように感じます。その瞬間の切り取り…という意味で写真に繋がるかもしれません。

やや粗雑な比較ですが、映画やドラマも、欧米は立体的な構造の中で話が展開します。こういうところも特性が美術面と同じなのかなぁなどと思ったりします。
邦画をたくさんは見ていないので何とも言えませんが、邦画は、登場人物の目線に焦点を置かれることが多いような気が。このあたり思っていることの説明が難しい…もう少しよくよく検証してみます笑。

そうしてみると、オーディオってどうなのでしょうか。奥行き感や立体感を感じるのは、やはり海外のものが多いけれど…。

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今の時代は、人も物も情報も錯綜しているから、これまでのような国民性はうすれていくかもしれないけれど、それにしても、こんな小さな島国で、独自性がありつつも世界に自慢できるような素晴らしいものを持っているって、実に素敵。

(竹田)

 

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