現代オーディオ

イタリア生まれのスピーカー、ALBEDO。
第一弾モデルのHL2.2は当店のリファレンス機として鳴らしていました。
その上位モデルHL3.4が久しぶりにお目見えです。
ただいま、LINN KLIMAX DS/K、KIMAX KONTROL、OCTAVE MRE220で鳴らしています。

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エンクロージャー内部を縦に2分割して、折り曲げた格好の長い音道を持つトランスミッションラインを採用しているのがALBEDOのスピーカーの特徴。

ALBEDOのデザイナーはこれまでの経歴のなかで、様々なスピーカーシステムの測定に携わってきましたが、なかでも『トランスミッションライン』に興味をもち、友人であるローマ大学の物理学部教授と共に研究を行ってきました。

こだわりである『トランスミッションライン』を正確に理解するには更なる努力が必要と感じ、そこで、システムの能率を下げない最も適切な吸音材とダクト内部での最良の配置を特定する作業を行いました。

20121020175442589s現在利用できる天然由来でエコにも対応する繊維質素材に関する徹底した調査を通じて、研究の成果の賜物となったのが、このALBEDOスピーカーに使用されている技術です。

トランスミッションラインはバックロードホーンを発展・改良したと考えられる方式で、低域ユニット背面の音を利用し、低域を効率よく放射しようという方式。

ただユニット前面の音と背面の音が移送干渉をおこすことがあるため、ALBEDO独自の技術「ヘルムホライン」という、トランスミッションラインにおける内部レゾネーターを採用しています。
また、エンクロージャーを後方に傾けることによって各ユニットの駆動位置を揃え、またフィルタリングネットワークを搭載することで電気的な位相整合を果たしリニアフェーズ化を実現しているのです。

ドライブユニットはセラミックで統一されています。
セラミックは人工的な感じがしたり線が細かったりなど癖が出ることもあるのですが、これは非常にナチュラルでセラミックの良い性質だけが凝縮しているように感じます。

また、エンクロージュア等の生産はイタリア国内のとりわけ高品質な木材加工で有名な北東地域で行われています。(Sonus Faberやその他著名ブランドのサプライヤーと同じ所も幾つか使っています)

ムターのチャイコフスキーでは、バイオリンの弓の圧力や動きが情感がたっぷりに表現されて、沈み込む豊かな低域がしっかりとベースになっています。ブーレーズ指揮(ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14)は音の見通しが素晴らしく、この曲の背景にあるスリリングに揺れ動く感情や、細部まで聞こえる個々の楽器が美しい旋律に乗せて表現されます。
フランクシナトラ、ダイナワシントン、ジュリーロンドン、レイチャールズ、ノラジョーンズなどなど…ボーカルはフォーカスがばっちり合っていてストレート。陰影がはっきりとしていて圧倒的な存在感を放ちます。
音色はJAZZ、ロック、ポップス、オペラ全ての音楽にマッチしていて、スピーカーの後ろにも音場が広がる、その場全体で鳴っている様には圧巻です。その上でメインの主役はちゃんと前に出てくるので、よりリアル!!!

ご来店いただいた方は、入って正面のシステムとして鳴らしていますので、ぜひ少し足をとめてご試聴ください。

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Albedo HL3.4
  システム構成: 3 ウェイフロアスタンディングスピーカー
エンクロージャー設計: トランスミッションライン(HELMHOLINE システム)
ドライバー: Accuton 16.5cm セラミックミッドウーファー×2、3cm セラミックトゥイーター×1
クロスオーバー: アコースティックによる一次オーダー
公称インピーダンス: 8Ω
能率: 89dB SPL(2.83V/1m)
再生周波数帯域: 35-20,000Hz
サイズ: W25×D62 ×H115(cm)
重量: 66kg/本
仕上げ: ストライプエボニー、ストライプウォールナットの2 色
価格: ¥2,415,000 税込/ペア

 

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