LP12あれこれ

軸受からはじまり、インナー、アウタープラッタ-と続き、サブシャーシ、アームボードまで参りましたので、本日はトーンアームを固定する「アーム・カラー」。
さて、LINNのアームカラ―だけをご覧いただくことは滅多に有りませんね。
しかも、LP12を手に入れた喜びが大きい導入時は、そんな地味な所になど普通なら目もくれないでしょう。
たまには、こうしてじっくり見てみましょう。
(写真はアームボードにしっかり取り付けられたAKITO III のもの)

何の変哲もない、穴のように見えますが。
ただし、一度これがアームの丸い柱を支える部分でなくて、単なる写真として見てみて下さい。
そうすると、内周の部分、円かと思いきや、微妙に歪んでいるのがおわかり頂けますでしょうか。
「え?円もまともに作れないの~?」と思われた方、ノンノン、違うんですね。
これは、右の写真のように脇から出てくるボルトで、アームの垂直軸を押さえて固定するキーポイント。
つまりこういうことなのです。
下の図をご覧ください。
図の左、普通の丸だと、ネジで押さえられた1点と、軸受の軸の設置する1点の合計2点でしか留まりません。
しかし、図の右のように、円にたんこぶがついているように「アーム・カラ―」の内周を加工することで、ネジで押さえられた1点のほかに、垂直軸はネジの対向側の2か所(正しくは2本の線:カラーの厚み分の筒状なので)の、3点で支えられることになります。
これによって、垂直軸がぶれたりずれたりしないのです。
何がそんなに重要かというと・・・言わなくてもきっと皆様ご存知のはず。
何しろトーンアームの根元ですから、ここがぶれては本末転倒、スタイラスの微細な動きどころの話ではなくなってしまうのです。
3点支持と言えば、前々回のお話のサスペンションも3点支持。
今回のアーム・カラ―もアーム・ボードにネジ留めされるのは3点。
そういえば、LINNのロゴも横から見ると上の図に似ているような。
しかしながら、LP12・・・、細部にわたりこれでもか!」と芸が細かい・・・。

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