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ここのところずっとLegatoの2Fに鎮座している割に、きちんとしたご紹介をしておりませんでした。
OLD BOZAK B-302A フレンチ・プロバンシャル。

これは、1958年ごろのアメリカの製品。
当時のアメリカでは、JBL、ALTECが業務用向け、BOZAK、Jensenなどはコンシューマー向けという住み分けがあって、家庭用のスピーカーとしては、一般的(と言っても当時の富裕層かな)だったのだそうです。
1970年代、代理店が入って日本でも紹介された頃は、マグネットがフェライトになっていて、ステレオ誌などでは、もたついた音というような評価だったようですが、これに搭載されているユニットは全てアルニコ・マグネット。鳴り方も全く違うので、アルニコが入ったこの頃のものを「オールド・ボザーク」と言うのだそうです。
ちなみに、このスピーカーは3ウェイ・4スピーカー。
ユニット構成は、B199A(30cmウーファー)、B209(16cmスコーカ―)、B200X(7.5cmツイーター)が2つで、これらのユニットを、BOZAKオリジナルの3ウェイネットワークでコントロール。
配置は下図のように、ウーファーの前にツイーター2つが取り付けられたような格好になっています。

ユニットは、ウーファーは、特殊素材を混ぜた紙のコーン、
スコーカ―は、メタル素材とゴム系樹脂をラミネートした、これまたコーン紙。
ツイーターは紙と薄いアルミニウムのラミネートコーン。
既にお気づきかもしれませんが、
3ウェイ
アルミニウム、樹脂・・・
など、この当時としては、かなり斬新です。
サウンドクリエイトやLegatoでもヴィンテージスピーカーを色々扱って参りましたが、この年代でこの素材とか、3ウェイとか中々ないですもの。
3ウェイがないと書きましたが、実は個人的に愛してやまないイギリスのWharfedaleの製品は、3ウェイの製品が多いです。年代もちょうど同じころ。
Wharfedaleは、ブリック博士という音響学者が設計していて、音場再生が素晴らしいのですが、
このBOZAKも、実は音響の研究をしていたボザーク博士によるもの。
そして、ボザーク博士は、マッキントッシュのスピーカーの設計に携わって、原型となるものを作ったその人なのです。
マッキントッシュと言えば、ツイーター多数使いが特徴ですが、ボザーク博士も自社ブランドBOZAKでツイーター多数使いをしています。
これは本店にあるB-4000 Symphony No.1。
これも素晴らしいスピーカーです!

さすが音響博士。
ユニット配置もスピーカーユニットの作り・素材も斬新。
それでも、マッキントッシュで後々作り続けていくのですから、奇をてらっているいうわけではない、裏付けがあるんですね。
ちなみに、BOZAKのユニットは、オール・コーン。
全てコーンで統一されているので、3ウェイなどにしても音のまとまりもよいのです。
それで、厚みのある重厚な音場再生が可能となるわけですね。
50年代から60年代にかけて、当時はヨーロッパへの憧れも強く、
家具もアールデコ調で、スピーカーもこうした猫足などの贅沢な作りになっているのだそうです。
デザイン違いでイタリアン・ゴシックというスピーカーも以前本店にあって、Legatoブログでもご紹介しております。
イームズなどが出てきて、アメリカン・モダンと言われるようになったのはこの後。
スピーカーの外観のデザイン、それから設計デザインも、こうして歴史を見ていくと面白い~!!!
BOZAK B302A French Provancial  ¥630,000(ペア・税抜)

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