毎日ひとつこと

今、Legato2FはLINN MAJIK DSMと数種のトールボーイのスピーカーで聴けるようになっているのですが、それぞれキャラクターの違うこと!
おもしろいものです。
今日はUTAHユニット搭載のオリジナルスピーカーで聴いてみましょう。

菅野邦彦さんのピアノ「PORTLAIT」から枯葉を。
曲つながりで、カーネギホールでピアフが英語で歌ったもの、2曲続けて。

菅野邦彦さんのこの頃(1974年リリース)のピアノは、日本人ピアニストに珍しく「ほとばしる熱気」や「どん欲さ」を感じます。
超絶技巧を誇るのではないですが、ピアノを弾くことがとても好きそう。でも、「好き!」という熱だけでもなく、かといって1人の世界に入り込み過ぎている感じもなく、「オレのうたを聞け!」的な強引さがあるんですが、どこかあそびもある。

でも一番感じるのは「ひたむきさ」でしょうか。

 

 

ピアフの56年-57年のカーネギホールでのコンサートを収録したこの盤は、英語で本人が「Autumn Leaves」と紹介した後少し遅れて観客の拍手があり、歌い始めるのですが、英語のせいか少し出始めは「よそゆき」な雰囲気。

歌が進むにつれ熱が帯びていくような感じ。

ピアフは、これまでに生涯のとも言える大恋愛中の恋人を飛行機事故でなくしていたり、自分自身も事故にあい、モルヒネ中毒になったり、結婚、離婚を経験していたりと、このコンサートより前の数年間だけを見ても怒濤の人生。

それがこの一曲の中に内包されているかどうかは別としても、歌い手としてのピアフにそうした経験が存在することは確かで、一言では表せない奥行きを感じます。

・・・とても簡単に言ってしまえば2曲とも、とても人間味あふれる演奏だと思うのです。

それを上の写真のUTAH製のユニットが搭載されたモデルで聴くと、音が前にとんできて、ものすごく生々しいのです。2人の人生まで見えてきそうなほど生々しい。

 

 

このUTAH Celestaは、1960年代のユニットで、現代のものと比べるとレンジが解像度がと言ってみたくはなりますが、聴感上・体感上の帯域は十分広く、解像度もDSなどで鳴らすと不足は全く感じられません。

3ウェイ同軸のペーパーコーンで、少しくびれのある椀型の作りなど、現代でさえそう簡単に出来るものではないようで、優れたユニットなのです。そう思って昔のオーディオ誌のユニット特集の掲載記事を読むと、不思議と評価があまり高くない。ナゼ???

このユニット、太めの布製のロールエッジで、コーンも軽くよく動きます。

これを大きな箱に入れてしまうとガフガフしてしまい、性能を発揮できません。

それで店でも小さめの箱を用意したのでした。これだとユニットの動きに対して、適度な量の容積で、本当によくなるのです。

記事の評価はどうならされたのかがわからないので、そのせいかどうかはわかりませんが、実際よくできたユニットです。

ライブの熱気やミュージシャンの思いを、現代のスピーカーとはまた別のリアルさをもって再現してくれます。

このユニット2基を搭載した縦長モデルもあり、これは本店でご試聴いただけます。

是非一度聴いてみて頂きたいです。

UTAHについて>>>Legatoブログ

UTAH2基搭載モデルは>>>SOUNDCREATE TIMES

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