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年代物のLINN LP12。

ウォールナットのスリット入りで、脚に近い部分が黒く塗装されたキャビネットに、初代のEKOSアーム。
現行製品はEKOS SEとなって全体的に様変わりしていますが、EKOSというアームは1988年リリースで、完全にグラスゴーメイドとなった初めてのアームでした。(LINNの初代アームITOK LVⅡは、アイバ―が日本人の伊藤さんにリクエストして出来たアームで、ジャパンメイド)
そして、搭載されているカートリッジはなんと39年前にリリースされた3点留カートリッジの初代モデル、TROIKAでした!
(先日カートリッジの3点留の記事を書いていて初めてその名を聴いたばかりでお目にかかれて感激。)


そもそものお客様のご要望は、電源タップでした。

電源タップの仕様を決めるため、お持ちの機器を確認させていただいている中で、もう1台ターンテーブルを検討されたいようなお話しも上がり、店頭にあったThorensやガラードを聴いてみられることになりました。
もう少しこう、あるいはこっちは・・と決定打が見当たらないので、「(LP12をお持ちだし)試しに・・・」と傍らにあったMAJIK LP12とMAJIK LP12SE(内臓電源/LINGO4電源とMM/MCカートリッジの比較)を聴いていただいたところ「電源の違いでこんなに変わるの!?」と結果的にお手元のLP12をアップグレードする‥というお話になりました。

ただ、年代物LP12なので、軸受けは比較試聴のご用意がなかったのですが、お納めした方々から「押し売りしても恨まれない!」と言われたこともあり、電源もさることながらまずは軸受け!と「押し売り」したところ、Karouselの軸受けとLINGO4(モーターも新しくなる)にアップグレードしたLP12、そして当初ご注文の電源タップをお納めに伺うことになりました。

お使いの機器は、
LINN LP12、マランツ7、McIntosh MC240、Bluesound+Chord。
スピーカーはJBL Viscount。
マランツとMcIntoshの間にSAEC SL1980(シールド切ケーブル)を使い、極性を確認し、電源の順序を正しく接続し、
アップグレードしたLP12を鳴らしたところ「すごい・・自分の家じゃないみたい」

これまで音がもやもや&モコモコして、なんとかならないものかと色々調べていらして、「弊店の正しい接続」にヒットされたのだとか。

しかし、ザ・ターンターブルと言いたくなるほどのデザイン。
これが現代の音へと昇華できる・・・そこがまた何ともクレバーで、洗練されています。

お客様のお宅はヴィンテージのものが多く、100年近く前のフランスのダイニングテーブルや、デザイナーの名を冠する前の時代の北欧の椅子が置かれているので、50年のLP12はまだまだ若手と言えるくらいですが・・・。

「えー、こんなに違うんだ。いや、これは嬉しい」
次々とレコードをかけ替えられる。

「LP12」という言葉が一人立ちして、何かとても素敵なもの―――例えば「ずっとつきあえるもの」とか「今と昔を繋ぐ」とか「唯一の存在」———そんな意味を含めた存在の代名詞みたいだな、とぼんやりお庭を眺めていたのでした。
(竹田)

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