
日曜日、久しぶりに早く帰れたので日本橋の丸善に寄りました。
平積みしてあった黄色い本に目が留まって、手に取ってみる。
「ポケット版」と書いてあるけれど、中々の厚み。持つのも重いし、値段もそこそこ。
しかも開けば、辞書のような薄さの紙で横書き。
歴史的なものや総体的に書かれているものをつい手にするのですが、いつも開かないまま終わったりするので、ぱらぱらとめくって一度山に戻したものの、やっぱり気になって「仕方ない、、」とレジへ。
そうしたら、すっばらしい本でした。
もう、なんというか美術への愛と喜びに溢れていて・・。
それが、美術だけを追いかけた「美術史」というよりは、宗教的、地理的、世の中的背景に触れながら流れをお話ししてくれる。それぞれの画家を良く知っている友人のようにもの語る。学術的な小難しさはなく、偉そうな権威的な要素も皆無。まさにタイトルそのまま「美術の物語」なのです。
先週「絵は読むもの」という言葉を町の料理屋さんの主人から聞きましたが、まさに「絵を読め」ば、画家のことも、絵からその人となりを知ることができる。それは音楽もきっと同じでしょう。
まだ読み始めた(しかも17世紀のネーデルランドの話題から)ばかりだけれど、ページをめくるごとに頭の中で散らばっていたことがどんどん繋がっていき、ワクワクします。
本の帯にルーヴル美術館元館長の言葉で、「モナリザに負けないほど有名で、学ぶことが喜びであるような本である。」とありました。
そんなに有名なのに知らなかったとは、、と思って著者名に目をやり「あ!」と小さく叫びました。
学生の頃に恩師から勧められたゴンブリッチさんによる本だったのです。
ちなみに、この「美術の歩み」よりずっと読みやすいのと、カラーでふんだんに挿図が入っているのもグッドです!
音楽もこんな本があるといいな。
(竹田)