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ご紹介を受けて、老舗の小料理屋さんの店主のご自宅に、アンプとプレーヤーをご納品しました。
80歳になられるご主人はタンノイのスピーカーをお持ちでしたが、久しぶりにレコードを聞こうと思ったら壊れて音が出ない。伺えば真空管アンプもノイズが出ていて30年使っていて、いっそアンプもターンテーブルも新調しようと、DualのレコードプレーヤーとAurorasoundの真空管をご手配することになりました。
鳴った瞬間から、音が違うねぇ!と喜ばれ、お嬢さんとお二人でブラームスから、ベートーヴェン第九の5楽章、モーツァルト、、と、あれやこれやかけていただきました。
後日もお嬢さんから、お店に出られる前に早起きしてレコード聴かれることや、親子の会話が増えましたという
嬉しいお話をいただきました。それで、つい昨日ご様子伺いにお昼ご飯を食べにお店に顔を出しました。
お店の常連さんを巻き込んでのレコード話も楽しかったのですが、ご主人のさらっとなさるお話が、素敵なのです。
話題はさまざまに及び、それは絵の話が出た時のこと。「絵ってのはさ、見るんじゃない。読むんだよ。」見えている絵の奥、外に感じられるもの、画家が何を描きたかったか、そうしたことを「読む」。
「愛ってのはさ、見えないだろう。だけど赤ちゃんこうして腕に抱いてる、これはお母さんの愛だよ。(腕を下げて)こうなっちゃ西瓜持ってるようなもんだ」
そんなお話が何気なくふいとでるからか、お店は繁盛していて、店主はお客さんの近くで話しながら、時折「お茶がないよ」とか、お店を切り盛りするお嬢さんに指示します。
なんだか粋なんだなぁ。
そういう空気とか、会話の間って、どんどんなくなっちゃって、鯱張っちゃうか、形式ばっちゃうか、タブレットになっちゃうか。
決して安いお店ではありませんが、こういうお店には時々足を運んで、その空気を少しでも身に纏いたいものだと思うのでした。
(竹田)
銀座の建物もどんどん大きくなるけれど、路地にはいいお店がたくさんあります。
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