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ボディから、真っすぐ伸びたサファイアのカンチレバー。
その針先が見つめるものは果たして?

やっと聴くことができました。
LINNの新型カートリッジEKSTATIK。

これまでのKandidの2倍となるプライスが付けられ、発売のニュースを聞いたときには、
あらら、LINNたら、ちょっと時流に乗ってハイエンドに寄りすぎでは・・という懸念も心をよぎりました。

しかし、RADIKALの電源部がアップグレードされ、このEKSTATIK。
新生KLIMAX LP12の音を聞いて、納得せざるを得ません。

RADIKALはアップグレードと一言で言っても、「どこかをちょっと良くしました」といった簡単なものではなく、電源部の内部基板は一から構築したような完全に新しいテクノロジーによるモーターコントロールユニットです。
DCモーターの方式そのものは変わらないものの、モーターに与える電気量をデジタルデータ化して駆動するという、最新にして最良の電源部と昇華されました。

流れはKEEL(サブシャーシ)のあたりからあると個人的に思っていますが、躯体の堅牢さで静寂の濃密度が上がる経験をしたLINNは、少し前の軸受けKarouselでより一層の静けさと盤石さを得ました。
そして、この度メスを入れられたのが、電源、つまり心臓部だったわけです。

完璧な、これ以上無い静寂が用意できたなら、そこから小さな小さな信号を読み取るのはカートリッジの役目。
このEkstatik、針先の動きを見ているだけでも、ただものではない。

レコードの溝という長い道をゆく、無心でひたすら自分の仕事に没入するその様は、健気を通り越して、宗教的な敬虔ささえ感じます。

そこで「EKSTATIK」の名前の由来である「エクスタシー」という言葉を改めて調べてみれば、最高潮に達して無我夢中になることのほか、宗教的体験における神秘的心境のことを言うのだそうです。(Wikipedia引用)

まさに・・。
その音は、音楽は、録音現場で起こったミュージシャンたちのやりとりを開示します。
そして、ただひたすら「無」になるターンテーブル。
是非、聞いてください。

■ スペック
スタイラス:Micro-ridge
カンチレバー:Sapphire
針圧:2.0g
コイル線材:Copper 4N
コネクション:直径1.2mmピン x4本
出力電圧:0.45mV @3.45cm/s
内部インピーダンス:12Ω
推奨負荷インピーダンス:100Ω
推奨負荷キャパシタンス:1nF
自重:7g

■ 価格
EKSTATIK ¥ 1,045,000(税込)
針交換価格 ¥ 748,000(税込) ※KANDID、AKIVA、ARKIV より

※ご試聴はご予約ください。
お気に入りのレコード、是非お持ちください。
展示機のご用意まだなく、短い期間でのご試聴となりますことご了承ください。
(竹田)

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