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今日は蒸し暑い1日でした。
閉店後の納品で汗かいて「ふー終わったー!」の後の、シャワーの後。
夜風が気持ち良い。
缶ビールを開けて、自分のためのレコードを1枚。
窓を開けたままなので少し音量小さめに・・。

なんか好きな1枚です。
ハービー・マンの「フラミンゴ」
特に今日の蒸し暑さの後のスッキリ夜風とビールにぴったり。

窓は閉めることにして、少しボリューム上げて。
レコードジャケット眺めながら、読むともなしにライナーノートを眺め。
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ハービー・マンはフルート奏者で、ちょっと調べるとかなりのアルバムに参加しています。
これは1955年録音で、ハービー25歳ですが、「二十歳過ぎる頃にはバップ・フルートの第一人者・・」とWikipediaにあるので、この頃にはきっともう名前も通って、周りを牽引していたのではないでしょうか。

レコード裏のライナーがまさにそういう雰囲気で、ハービー・マンのリーダーアルバムですが、
自らライナーノートを書いていて、このアルバムのために集まったメンバーを紹介したり、選曲に関してのコメントがあったり。

ところで、このアルバムで最も好きなのは、A面1曲目の「I’ve Told Ev’ry Little Star」。
これに関してちょっと面白いことがあるので、ここでご紹介。
実はこの曲、この時代に珍しく多重録音なのです。
ハービー・マン自身の「3本のフルートとアルトフルート」の演奏。

ライナーには、ハービー・マン自身「かなり長いこと『Four Brothers』的なことをやりたかった」ようなことが書いてあって、この辺からが、ちょっと謎解きめいて面白いのですが、うまく説明できるかな・・・。

私は、勝手にフォークソングの「ブラザーズ・フォア」のグループと思ってしまい「へー一体どの曲聞いて、そういうことがしたいと思ったのかしら」と調べたら、結成自体が1957年だから計算が合わない。
よくよく読めば、「Brothers Four」ではなく「Four Brothers」。
(そりゃそうだ。雰囲気が違いすぎる)

「Four Brothers」は、1947年にWoody Herman Orchestraでヒットしたナンバー。
この曲は3本のテナーサックスとバリトンサックスがメインで進むのですが、これのオリジナルメンバーのテナーサックスは、スタン・ゲッツとズート・シムズが入っているんです。私でも知ってる。
他のメンバーは、Herbie StewardとSerge Chaloff(バリトンサックス)。

なるほど、こういう曲がやりたかったのね。通じるものがあります。
しかもこの4人分をハービー・マン一人でやっちゃったという。

更に面白いのが、下の赤字部分。
(青字部分は、上で触れたこと)
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彼らFour Brothersが声変わりする前のような音・・とあるのです。
「?」さて、声変わり・・・。
ネットサーフィンしていて「わかった!!!」

上に記したオリジナルメンバーの4人が、1947年録音の10年後に「The Four Brothers・・Together Again」というアルバムを出しているのですが、この時、スタン・ゲッツが抜けてアル・コーンになったのだとか。
声変わりはこれを指しているんですね。きっと。
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わーい解明したー!と喜んでいたのですが、あれ。
Together Againはよく考えると、1947年の10年後の再結成だから1957年録音・・
ということは、ハービー・マンの1955年のフラミンゴの後。
イイ線いったような推理でしたが、違うなぁ。

初心にかえって、オリジナルメンバーのゲッツ、シムズ、ハービー・スチュワード、サージ・チャロフをまとめていた、バンドリーダーのウディ・ハーマンを調べてみました。

Wikipediaのウディ・ハーマンの欄に結構詳しく書かれていました。
1947年にこの4人をメインとした「The Four Brothers」は相当ヒットしたように書かれています。
「この時のバンドは別名『The Four Brothers Band』とも呼ばれている〜中略〜1950年代以後は時流の変化でビッグ・バンドの経営自体が困難になり、バンドの主力であった有力ミュージシャンの多くがソロ活動のため独立していった事・・」にも言及されているので、ハービー・マンの言う「声変わり」は、形態がなんとなく変わっていったことを挿していたのかなぁ。
ハービーがそう思うような、そう言う世の流れの中で、結果、またヒットの時の人気を取り戻そうと、上のような「Together Again」で再結成したと言うのなら、柳の下のドジョウで、ありうる話です。
今も昔も考えることは同じなのかもしれません。

それから、もうひとつ面白いのは、
このウディ・ハーマンのバンドは「The Herd」と言われたそうで、これは、草食系動物の「群」を示します。
Herbie Mannという名にどんな意味があるかわからないけれど、頭のHerbは草とかを意味するし、草食動物はHerbivoreだから、こじつけですが、Herbie Mannがこのバンドの「Four Brothers」にいろんな意味で親近感を覚えていた可能性はないかしら・・

なんて、こんな勝手な推理、面白すぎて眠れなくなっちゃうので、この辺でやめます・・。

なんの話ししていたかわからなくなってしまうほど、遠くへ来てしまいましたが、Four Brothersを意識したHerbie Mannの多重録音も楽しめる「I’ve Told Ev’ry Little Star」は、ぜひレコードで。
CDでは多分ウルサイと思います・・。
(音楽配信サービスのTIDALにあるものも、歪みっぽくてウルサイのと、ぐっと抑えられたお利口さんな感じでつまらないリマスターされたものがありまして、やっぱりこれはレコードで聴きたい。)

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