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最近、「マグロが食卓から消える」というニュースをよく耳にします。
全世界でマグロの水揚げ量が年々増し、このままだとマグロの生態に変化がでる危険性を感じ、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の科学委員会が、マグロの総漁獲量を削減するよう勧告しているそうです。
刺身、鮨ネタでお馴染みの、キハダマグロ、メバチマグロの総漁獲量を10%~25%まで規制する動きになるであろうとのことです。

マグロと同じ回遊魚で日本人によく親しまれている魚が「鰤」。
皆様も刺身、鮨ネタ、照り焼きなどでよく食される事が多いと思います。
これからの時期「寒鰤」がとても美味しく食べられる季節となっていきますね。

鰤の産地として有名な北陸ではこの時期になると、猛烈な風が吹き荒れ雷が激しくなります。
富山湾ではこれを「鰤起し」(ぶりおこし)と呼び、冬の鰤漁が始まる合図とされています。
鰤は「出世魚」としても知られ、正月に食べる年取り魚としても知られています。

出世魚には鰤をはじめ、鱸(スズキ)、鯔(ボラ)、小肌(コハダ)などがあり、稚魚から成魚までの魚の成長につれ、異なる名前で呼ばれる魚のことを指します。
江戸時代までは武士、学者などが出世に伴って名前を変える習慣があり、「成長につれ出世するように名前が変わる魚」として、これになぞられたものす。
ただ良く考えると、どの基準で魚の名前を変えるのか、それを見分けるのか難しいように思えます。

オーディオも同じように思えます。

まず、最初に揃えたシステム。
年月を重ねるごとに、聴く音楽のジャンルや新しいアーティストの発見。
そうすることによって、今のスピーカーをもう少し良く鳴らしたいと思いアンプを出世させ、この音楽には低域の厚みが出るスピーカーがいいと思いスピーカーを出世させ、古い盤のレコードを聴きたいと思いカートリッジを出世させ、そんな繰り返しで自分の好きな「音」に育っていくのが、オーディオなのでしょうか。

関東:ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
関西:ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
東北:ツベ→イナダ→アオ→ブリ
下北地方:フクラギ→イナダ→ワラサ→ブリ

鰤は地方によって出世する過程での呼び名にさまざまなパターンがあります。
ただ、成魚の名前だけは「鰤」で共通しております。

聴覚→聴く→音楽→オーディオ

皆様の音楽の楽しみ方、オーディオの楽しみ方にもシステムを変えていく上で、さまざまな過程、さまざまなパターンがあるかと思います。
そして最後にどのように楽しむかは「鰤」のように共通はしないでしょうね。
ただ「良い音楽は、良い環境で、そして良いオーディオで楽しむ」ということは共通していると思います。

システムのアップグレード(出世)はどうあれ、嬉しく、楽しく、そして悩まされるものです。

(三浦)

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