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Netflixドラマで使われていたのが耳に残って・・

ドラマとしては、少々辛いものがありました。
Netflixドラマの「アンオーソドックス」。
「超正統派ユダヤ人」の女性が、宗教も家庭も捨てて自由をつかむ・・というのが大筋で、
自叙伝として発表された本を基にとにした実話なのだそうです。

一言で「ユダヤ教」と言っても「戒律がちょっと厳しい」くらいの認識しかなく、
また、お寺にも神社にもお参りに行って、海外に行けば大聖堂でも敬虔な気持ちになる・・
そんなお気楽な人生を歩いてきた自分にとっては、一神教であるユダヤ教は遠い存在。
もちろん大変な迫害の歴史は様々な映画や本を通して知っていますが、このドラマは現代を描いているものだし、
現代ではそういうこともほぼなくなって、「ユダヤ教」は一つの選択肢なのだろうくらいに思っていました。

ちなみに、このドラマではユダヤ人迫害を描いているわけではなく、
ユダヤ教の中でもとりわけ「超正統派ユダヤ教」の内側について描かれます。

それが、好きなことやってきた自分にはかなりつらいものがありました。
おそらく主人公が辛いと感じているから、余計に辛いのだと思います。
それに、信仰している人にとっては、あんまりありがたい話ではないとも思う。
いずれにしても、全4話と大した長さではないのですが、なかなかでした。

その中で、使われている1曲にこのドヴォルザークの弦楽セレナーデ、2楽章の中間部があります。
主人公が、音楽学校の学生たちの練習風景に居合わせるシーンですが、見ているこちらには砂漠のオアシス。

ウィキペディアで見てみると、この曲は、ドヴォルザーク自身が政府の奨学金の審査に合格して、幸福感の下で書かれたものだとか。
しかも、ここからの数年で書いたいくつかの曲で国際的な名声を得たとのこと。
まさにドヴォルザークにとって「夜明け」というような曲なのだと思いますが、2楽章(ばかり聞いている)のメロディ自体が、
優しく波が打ち寄せるような、あるいはゆっくり日が昇っていくようなそんな雰囲気をまとっています。
主人公の人生の夜明けと、音楽への確かな目覚め、そんなことが重なります。

もう一つのキーになる曲はシューベルトの「An die Musik(音楽に寄せて)」。

Netflixをサーフィンしていて、「音楽によって人生が変わったどうのこうの」というようなキャッチコピーで見始めたので、もっとたくさんの音楽が使われるかと思ったのですが、この2曲はまるで深い沈黙のように重く存在していました。

手放しでお勧めする感じではないのですが、こういう世界もあるのだと。
オーディオで好きな音楽聞けている幸せをかみしめられます。
(竹田)

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