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それは、ゆっくりと、そしてじわじわと私たちの知らないうちに根を広げていたのです。

スタッフAの証言
「水曜日の朝、すべての電源を入れて音を鳴らし始めます。
掃除している間ある程度鳴らしておいて、音チェックをします。
『ん?何か変だな』と思ったのですが、水曜日の朝は休み明けで、まぁアンプがまだ眠いのかな。
乾燥しているしもう少し鳴らしておこうと思ったんです。
しばらく鳴らしていると、なんとなくまぁ大丈夫かな。
休み明けで問い合わせメールが溜まっているし、大丈夫大丈夫と・・思い込もうとしたのがよくなかったと思います。」

スタッフBの証言
「木曜日の午後だったかな。いや、ちょっとびっくりして。
先週は凄いいい音していたLINNのEXAKTサラウンドの音が、ボワンボワンだったんですよ。
スピーカー同士のLAN接続をちょっと変えてみたら全然違って、ご一緒に聞いていたお客様もすごいクリアになったね。全然違うね、って。
だから、もうそれで解決できたと思っていたんです。」

スタッフCの証言
「金曜日は青ざめました。音が悪いんです。
どこかチリチリと上の方に乗っていて、低域が伸びない。
配線をリフレッシュしてちょっと良くなったかと思うと、また悪くなる。
夕方から取材が入っていたのですが、話がメインだったので助かった・・と思い、ボリュームをできる限り下げて蚊の泣くような音で鳴らしていました。それでもおかしいのはわかります。
・・何か接続を間違えているんじゃないかと思って、配線をくまなくチェックしたのですが、どこも間違っていない。
この音のおかしさはセッティングとかそういうのではなくて、電気的なことだから、最終的にはルーターの通信がビジーで音を悪くしているんじゃないかと疑って、ルーターを買いに走りました。
それでも時間が経つごとに悪くなる一方。
土曜日はお客様の予約が数件入っていたので、断ろうかと思ったくらい」

まさか、これが原因とは誰も思うまい。
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ヴィンテージの真空管のモノラルアンプを2台、日曜日に接続して鳴らしました。
そのあと、電源を落として接続も解除しました。
ですが、アンプには、スピーカーケーブルの短いの・・・ネジ締め方式なので、いちいちつなぎ替えが面倒だからと、10cmくらいのジョイントケーブルとインタコ(写真の青緑のイラスト)を挿しっぱなしにしておいたのです。
そして、2台のアンプは、そのままラックの上に置いていました。
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写真の「ココ」と指している場所。今DCSのCDプレーヤーが置いてある場所です。
もう少し寄ってみますね。
こんな感じにおいていました。
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2台のアンプは肩寄せ合って置かれ、ケーブル(イラストの黒い線)は指したまま。
その真下にOPPOのBDプレーヤー。
OPPOの隣には、LINN AKURATE DSMがあり、OPPOとDSMはHDMIで接続していました。

ここでまた念を押しますが、このヴィンテージアンプの電源は入っていないのです。
電源投入されているものと、どっこも繋がっていません。
単純に、どこにも繋がっていないアンプにケーブルが挿さったままだっただけ。

それなのに、LOUNGEのすべてのシステムの音が悪くなったのです。
こんなに離れているのに!!!
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しかし甘かった。
机上の空論など何もならない。
事件は現場で起きているんだ!!
(あ、すみません)

とにかく音が悪かった原因のおそらく8割はこれが原因でした。
想像してみます。

ヴィンテージアンプに乗っているトランスは大変良いものですが、まあほぼむき出しです。
それにケーブルが繋がっていました。それがアンテナとなっていた。
そして、ヴィンテージアンプの真下にはOPPO。
こちらも、例えばLINN KLIMAXのようにシャーシが厚かったりするわけではありません。

日曜日から数えて5日間。
月曜・火曜の定休日はアンプ類は休ませているので、その進行は遅かったかもしれません。
しかし、一度営業が始まってすべてが稼働し始めると、アンプに指しっぱなしのケーブルがアンテナとなり、トランスを基にして、磁界が大きくなりOPPOに影響を与える。(というか悪循環)
OPPOは、AKURATEと繋がり、AKURATEはLANでネットワークに繋がる。
ネットワークを通じて、また、AKURATEやアンプの電源を通じて、関係ないように見える手前のシステムにもどんどん侵食していった・・・
そういうわけです。

だって、そう考えるしかありません。
もしかして、とスタッフの誰かが、2台のアンプを離しただけで、相当音がクリアになり、ケーブルを外し、ラックの上からどかしたら、全く元どおりになったのです。

読み違えないでいただきたいのですが、ヴィンテージアンプが悪いわけではありません。
電源が入って、正しく接続されていれば問題ないのですが、たまたま上記のようなことが起こったということです。
しかし、トランスを積んでいるものは、置き場所には結構要注意。
フォノイコライザーなどの微細信号を扱うもののそばに、コイル、トランスなどを置いたり、パワーアンプで、シャーシのノイズ遮断の弱いものなどがあると、アナログの音が歪んだりします。
置き方ってとっても重要ですね。

しかしまあ、なんとか金曜日のうちに原因がわかって、ホッとしました。
音が悪いと精神衛生上よくない・・というか営業になりませんもの。
ふー

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