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「大は小を兼ねる」
オーディオには必ずしもこのことわざが当てはまるとは限りません。
大きい方がいい。
重い方がいい。
オーディオにおいて一般化されたそうしたイメージがありますが、決してそんなことは「ない!」と断言いたします。

よく、こんな光景を拝見します。
ブックシェルフのスピーカーを聴いて、
「これいいじゃん!」の後、
でも置くところが・・・
スピーカースタンド不安定だから、それならこの長い方(トールボーイ)にすればいいか・・・
という結論・・・
「ちょーーーっと待った―」

その決断、簡単すぎやしませんか???
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大抵、フロアスタンド(トールボーイ)のほうが、高いし、安定感があるから、
ブックシェルフより「絶対いい」と思われるかと思いますが、実はそうとも言い切れません。

当然キャビネットの容積やウーファーの数・大きさが大きくなれば、低音は大きい方が出るのですが、音楽は低音が多ければいいというものでもありません。

私などは、このブログでも度々書いていますが、足回りがもたつくのが嫌いで、低音が重たいのは好きでなく、スピード感、切れ味がある鳴り方が好み。
デューク・エリントンのビックバンドなど、低音がもたもたし足り引っ込んでいたら、あの洗練された音色は出ませんもの。
オペラなら、オーケストラが豊かに鳴っても、声が引っ込んだり、妙に口が大きくなりすぎては辟易です。

なので、ブックシェルフで「これいい!」という方が、置き場所の理由で大きい方・・と言われたら、必ず比較していただきます。
それで、お客様の聴かれる音楽によって、お好みによっては、トールボーイの方がいい場合もありますし、価格もサイズも半分だとしても、ブックシェルフのほうがお好きな場合もあります。

そう。メーカのラインアップにブックシェルフとトールボーイと両方あるのは、必ずしも価格や大きさだけの理由ではないのです。
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ちなみに、うちのTannoy コーナーカンタベリー。
「Tannoyと言えばクラシックでしょう」
と言われることがありますが、
・12インチモニターレッド
・バスレフ
・3本脚でキャビネットが床から浮いている
・・などなどのことから、Tannoyの中でも軽やかで抜けの良い低音、豊かながら切れのある鳴り方。
エリントン楽団のホッジスのサックスなど何度聞いてもうっとりします。

PIEGAもLINNもブックシェルフが好き。
だから「大は小を兼ねない」と言い切ります。

すべては自分の好みがどこにあるか。
ご自身にピッタリの音は絶対あるので、大切に選んでください。

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