Legato EYES

「年取ると食べ物の好みが変わる」

よく使うフレーズです。
年と共に体の調子が変わるからかもしれませんが、経験値もあるかと。
なにかを美味しいと思い続けることはもちろんあると思いますが、
苦手だったものは、苦味や辛みのバリエーションを知ることで「大好物」に変わったりします。
飲むお酒によって引き出される魅力や、その逆も。
音楽もそうで、色々なものを聴くうちに、難しいタイプのものがよくなってメロディアスなものから離れたり、はたまた元々の好みへ戻ったり。
結局、好みは「変わる」というより「動く」のだと思うのですが、
大きく変動する時って、食べ物も音楽も身に纏うものも、いつの間にか位相が変わった!くらい動いています。
しかしながら、年を重ねるとともにその振り幅は少なくなってきたかも。
昔はゴージャス、大胆、派手なものから一変してシンプルにメーターが振られることがよくありました。最近は、揺り戻しで、以前気に入っていたものが違う角度から見て改めて良いと思えることが多くなりました。
好きなものを改めて好きになれることは嬉しいし、
苦手なものが好きになれるのも嬉しい。
大学時代の教育実習で、エラそうにこんなことを話しました。
「たくさん経験して『好き』も『嫌い』もどっちも大切にしてほしい」
嫌いなものを知ることで好きなものはよりいっそう好きになるし、嫌いと意識するくらいのものは、何かのきっかけで大切になるかもしれない。
今思えばあれは自分に言っていたなぁと思います。
青かったけど、今でも同じことを思うなぁ。
日本は電線が多く嫌と思っていましたが、先日銚子からの帰り、
空にかかる電線が綺麗に弧を描いて、現代の浮世絵みたいで美しい景色だと思いました。
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