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今まで本を読んでいて物語の最後の一行に、こんなに「え~!!」とさせられる作品はなかったように思います。
百田 尚樹作、「幸福な生活」

本書は、18編の短編が収録された短篇集で、すべての物語が、『最後の一行』(一言)にこだわっていて、最後の一行で物語をひっくり返すというような形の作品になっています。

ごく普通の生活の中にあり得る日常の物語。

認知症が進んで空想と記憶が混ざり合い突飛由なことを言い出す母と、それを不可解に思いながらも見守る息子との会話。

電車の中で痴漢容疑をかけられた家具職人の男、それは金を揺すり取る為の仕掛けられたわなだったが。

37歳で素敵な夫に出会い有頂天になった女性、友人に夫を紹介したが、そこで夫の真実を知る。

どの作品も最後の一行に、「え!!」・「ゾッとする」・「信じられない」などの落ちがあります。

本の構成も凝っていて、最後の一行はすべて、ページをめくった一行目に配置されているので、最後の一行が読んでいる途中で視界にることはありませんでした。
物語を読んでいる中で、最後のオチを推測するのですが、どれもこれも、その推測は見事に外されました。

短編で読みやすく、一作品を読み始めると最後のオチが待ち遠しくなる作品でした。

三浦

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