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皆さんは「暗黙知(あんもくち)」という言葉を耳にしたことがありますか?
これは、「経験や勘に基づく知識のことで、言葉などで表現が難しいもの。ハンガリーの哲学者マイケル・ポランニー(Michael Polanyi)によって1966年に提示された概念。」だそうです。

先日ボーっとTVを見ていたら、団塊の世代が一気に退職してしまうことで「暗黙知」をいかにして伝えていくかが大切になる・・・というような内容のニュースを報道していました。
TVでは、JALの機長さんが、マニュアルには書いていない、長い経験の中で培った感覚的な技術や、方法をどうにかして若い人たちに伝えていきたい。それが事故を避けるのに遠いようで一番近い方法だというような内容のことを話していました。

確かにこれは何にでもいえると思います。
料理でも毎日やっているうちに、感覚でこのくらいで弱火にする、とかこの辺で湯からあげるとか絶妙なタイミングがあって、きっとその感覚やバランスの素晴らしい人が居る場所が、おいしいレストランになるのだと思います。
それに「おふくろの味」が美味しいのもそんな理由かもしれません。
(味覚は大前提でしょうけれども)

オーディオも然り。(またオーディオに繋げちゃった)
最近「この場合は前に出して広げたほうがいい」とか「ちょっと後ろ?」とか少しずつ分かる時があります。以前は先輩陣の真似をして根拠なく「前かな」「後ろかな」なんて思っていましたが、最近はいくつかの慣れた環境においてはなんとなくですが、明確にどうすればいいか手ごたえを「感じ」ます。(もちろんやってみないことにはわからないですけれども。)それもこれもひとえに、ひどい音を出していた時にぎゃあぎゃあ叱って下さった先輩陣や、はっきりと「よくない」と態度に示してくださったお客様方のおかげです。

TVでも機長さんが「怒鳴られて、その時はなんで怒られているか分からなかったけれど、後で『このことか!』と気付くことがあった。『怒られる』ということは記憶に残りますからね」とお話されていました。

何もないところに行き当たりばったりでぶつかった「勘」は「ヤマ勘」で、私は「ヤマ勘」は当たらないと信じています。
「ヤマ勘」で当たったように見えても、きっとなにかしらの要因が重なってその道を選んでいるはずと。(つまりそれは「ヤマ勘」ではないと。)
「ヤマ勘」でない「勘」は、「経験」や「体験」のもとに生まれた「勘」。
つまりそれは、「経験や体験のもと体が知っていることで、一番早い判断力。」ということではないかしら?
オーディオのセッティングにそんな「勘」が沢山欲しい!ということは、数聴いて数体験してみなければダメ・・・ということでしょうか・・・ネ。
(竹田)

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