BLOG

何年振りかの「私のオーディオ遍歴」
過去の遍歴はこんな感じ>>「私のオーディオ遍歴

その7まで、スクスクと伸びしろいっぱいの成長期を書いていましたが、いやいやそんなことばっかりじゃなかったと色々思い出しました。それは・・・「ザ・音の違いがわからない」。

いっちばん初めにこれを思ったのは、入社してすぐ。
「今日は新人向けに勉強会だ―!」と、GOLDMUNDとLINNのアンプの比較試聴の時。
創業からLINNを得意として扱ってきたサウンドクリエイトですが、誰にとってもれにとってもLINNが一番というわけではない。
それに、LINNにもし注力するとしても、LINNだけを知ってもそれは知るとは言えない・・そんなことで、当時「これだけ違うならわかるだろう」という考えで用意してくれたのであろう、GOLDMUND vs LINNの比較試聴をしました。
対象は、私と、もう一人同じ年、同時期に入った女の子。

さて、比較をするのですが、何度比較しても、何度繋ぎ変えてもらっても、「違いがわからない」。
もう一人の彼女もオーディオ業界で働くのは始めてなのに、「全然違います!」「あ、オモシロい!こんなに違ううものなんですね!」「こっちはこうで、あっちはあんな感じ!!(言っていることがわからなかったから記憶にない)」
焦る私は、もう1回もう1回(ミスチルのHanabi)を永遠に繰り返すけれど、最終的にわからないまま終わりました。
才能ないのね。と諦めました。
なので、ご自身のことを素人と言うお客様やうちの新人さんたちが「なるほど!違う!」と言うのを聞くと、すごいなぁとしみじみ思います。そしてなんであんなに私はわからなかったのかとも。。。

その後も「音が分からない」問題は度々おきます。
それは色んな段階でやってきて、セッティングに集中して1か所しか聞いていない時に、イイと思っていたら崩れていたとか、キャラクターが同じもの(厚みのあるものに厚みの出るケーブルに厚みのあるスピーカー)を重ねすぎて、いいはずがよくなかったりとか、あるいは単純に音が良くわからない週間とか。
階段を上がっていくと踊り場があり、踊り場ではいつも音がわからなくなる。年々踊り場と踊り場の間が長くなってきたかな。。

昔、亡くなられた菅野沖彦先生が「音に色がついていたらいいのにと思ったことがあるよ」とお話されたことがありました。
見えないから面白いし、見えないから悩む。
悩むからわからなくなる。
どれがいわゆる「沼」なのかもしれませんが、何が分からないかが一つ一つわかる様になっただけでも、
ずいぶん成長したもんだと自画自賛する。
オーディオ道において「音がわからない」問題は今後も続いていくのでしょう。
(竹田)

コメントは利用できません。