Legato EYES
好きな役者、ミュージシャン、作家、芸能人、、、
そういう遠い存在の人の訃報はいつでも悲しいものですが、こんなにも残念でならないことは近年ありません。

病気で休んで、ひと月だけ復帰して、また休んで、出演予定も休演したりと繰り返していたので、良くないことはわかっていましたが、なんとか頑張ってほしいと願っていました。

歌舞伎役者の坂東三津五郎さん、享年59歳。
とうに亡くなったうちの祖母が大ファン。
祖母は孫の目から見ても格好いい「女の人」でしたので、彼女が「八十助、八十助」と言っているのを見て、地味な感じだけどああいう人が素敵なんだな、と子供ながらにそういう目で見ていました。
三津五郎を襲名して、私も自分でお金を払って観劇するようになってから、なぜ祖母があんなにいいと言っていたか年々分かってきて、歌舞伎座新開場して以前より深く楽しむようになってからは、より一層好きになった役者さんでした。
踊りの名手で、それはそれは素晴らしかったけれど、世話物では短い舞台の間にその登場人物の人生が見えるようなくらいで、演じるというのはどれだけ大変なことだろうかと思ったり、そういうものを目の当たりにできた喜びで、観劇した帰り道はいつも本当に幸せな気分でした。
昨夏の「たぬき」、一作夏の「髪結新三」今でも目に焼き付いて、声まで聴こえてくるようです。
まだまだまだまだ、もっともっと観たかった。
観たいもの聴きたいものはガンガンいこう。
欲張って長生きするつもりですが、毎日を大切に生きよう。
そんなことを思う身勝手な追悼です。
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