使いこなし

『アースについて』

日本の電源環境は、一般的に交流100V電源となっており、通常は単相3線式で家庭に送電されています。
基本は、+の線と-の線、2本で電源供給され、この-側から電柱のトランスを介し大地にアースされています。
(厳密にいえば、単相3線なので3本線)
要は、-とアースが共有されている訳です。

アースには、大きく2種類あります。
「電力用アース」と「エレクトロニクス用アース」です。

各家庭にある、エアコンや電子レンジ、洗濯機などのコンセントについているアースは「電力用アース」で主に感電防止用のためと言えます。
バーチャルアースで扱っているアースはノイズや不要輻射対策のための「エレクトロニクス用アース」のことです。

そのため、オーディオ機器のアース線を家庭用のエアコンアース「電力用アース」に接続すると、家中の電力ノイズがオーディオ機器に流れ込み、徐々に音がノイジーになってきますので注意が必要です。
同じ意味で、配電盤から3芯ケーブルでオーディオ用コンセントを設けるとノイジーになりやすいので(配電盤のアースもエアコンアースと同様のため)2芯がお奨めです。

『日本と海外の電源環境の違い』

日本の電源環境は前記した通りですが、海外の電源環境は一部を除き、-線とアース線が別々各一本配線されており、+線、-線、アース線計3本で電力供給されています。

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この電源環境の違いは、海外オーディオ製品の設計にも当然反映されています。
電源ケーブルの2ピン3ピンの違いはその一つです。(シャーシアースの考え方やフローティングの方法など)

ドイツのOCTAVE製品が日本仕様なのは電源電圧だけでなく、日本の電源環境に合わせているため。
昨年発売されたLINN AKURATE DS/Kも日本の電源環境を考え、日本仕様として設計された特別な製品です。

『バーチャルアースとは?』

この日本と海外の電源環境の違い、アースの有無が、バーチャルアース発想の基本となります。
海外のオーディオ機器をアースの無い日本で使う場合、電源ケーブル(アース)、タップ、インターコネクトケーブル(RCA XLR)各機器間の接続を工夫し、ノイズを溜めずうまく流しスムーズに低減することが良い音に繋がります。
これがバーチャルアースの考えなのです。

 

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