製品紹介

今まで「立派なスピーカースタンド」と言われ、あまり注目を浴びていないEMPIRE 8000P。
小型スピーカーを2Fで鳴らすのに便利だから(やっぱりスタンド扱い)と2Fにあげて、ここのところ鳴らしていなかったのでOCTAVE V40SEとAKURATE DSM(40SEはパワーアンプ使い)で鳴らしてみたら、EMPIREの快進撃か、あまりにも素晴らしいので、この週末はずっとこのシステムで鳴らしていました。

改めて・・・EMPIRE 8000Pは、1960年代半ばに作られたモデルで、EMPIRE自体はカートリッジやレコードプレーヤーで有名です。
この円筒形のスピーカーは、8000P(12インチウーファー)の他,9000M(15インチウーファー)もあり、ウーファーは下向きに取り付けられ、下部の金網の部分から音が出ます。
ツイーター、ミッドは、シルクにフェノリックという樹脂を塗って、ドーム状に形作られていて、ウーファーは紙のコーンで布のエッジ。
とにかくすべてが天然素材で作られています。
だから現代でも全く問題なく鳴らせるということなのでしょうか?アメリカからは時々良い状態のものが入荷します。
ユニットの取り付けから見ても、なにしろ丈夫に出来ています。

見てください、この美しいユニット。
ミッドは結構大きいです。
フェノリック製のユニットでこんなに大きなユニットを作るのは、かなり技術のいることだそうです。
考えてみても確かにそうですね。
しかし、このユニットでなければ出ない音があります。
それは、例えば・・・


フィッシャー・ディスカウや、テレサ・ベルガンサ、その他数多くの美しい声を持ったオペラ歌手の声。
輝きがありしなやかでそれでいて、芯があります。たとえば、シルクは、強くて引っ張っても破れません。
でもしなやかで滑らか。
シルクは、人の声の例えに使われますが、この8000Pで鳴らすと、まさにそんな強さとみずみずしさ、そしてエレガンスを持っているのです。更に奥行があって立体的。

ドボルザークの「Klid(静寂)」を演奏するデュプレのチェロ、弦の響きを指でなぞることができそうなほど、生々しくて実体感があります。
これは、おそらくこのユニットのなせるわざ。
これをOCTAVEのV40SEがしっかり駆動しているのです。

今日はクラシック一辺倒でしたが、明るくて抜けがよくてJAZZもばっちり。

マイルスのトランペットも、みずみずしくそれでいて甘さがあって魅力的です。
そうそう、DSやOCTAVEで鳴らすとキレがよくフレッシュで古めかしくならず、意外と現代的な音も出します。
EMPIREは、日本では74年頃のステレオサウンドで紹介されていますが、ここではあまりほめられていません。実はこのころのEMPIREはマグネットもアルニコからフェライトに変わり、細部の作りも60年代に作られていたものに比べると簡素になっていったそうです。
この贅沢な作りのEMPIREは、リビングなどで珈琲テーブルや花瓶を置かれたりして、音楽を奏でながら愛された存在だったのでしょう。当時のカタログからそんな雰囲気が垣間見えます。
気楽にMAJIK DSMで鳴らしてもよいですし、本格的にAKURATE DSとOCTAVE V40SEで鳴らすのはベストマッチ。

お月さまのような大理石の天板。
来週はMAJIK+OCTAVE V40SEで鳴らします。
EMPIRE 8000P 
写真のものは状態もよく、¥650,000(税別/ペア)
この他、状態によって ¥550,000(税別/ペア)もあります。

コメントは利用できません。