
50年を超える歴史を持ちながら、いまだに進化をし続ける LINN Sondeck LP12
LINN の LP12 に対する探究心は止まることを知らず、
毎年のように新しい LP12 関連のプロダクトを産み続けています。
一度手にした LP12(仕様は様々ですが・・)
しばらく愛用しているうちに ムクムクと湧き起こる「もっと良い音にしたい!」衝動。
カートリッジを替えてみようか?
いやいや 電源でしょ。
サブシャーシ替えて音変わるのか?
やっぱトーンアームが命!
など、様々なアプローチで LP12 をビルドアップしていくことが可能です。
例として MAJIK LP12 MM から 次のステップとして何をグレードアップさせるとどう変わるのか?
参考にしていただければと思います。
◆現在の MAJIK LP12 MM の 構成
・LP12 Mechanics(本体:木枠+トッププレート +ターンテーブル +スプリング + 軸受けKarousel)
・Standard Sub Chassis(サブシャーシ)
・Majik Power Supply(電源)
・Solid Base(底板)
・ADIKT(MMカートリッジ)
・KRANE(トーンアーム)
何かを変えて イメージしやすいものといえば カートリッジだと思いますが、
ベーシックな MAJIK LP12 から最初のアップグレードとして
カートリッジ をお勧めすることはほとんどありません。
カートリッジがより高性能になる(解像度や表現力、トレース能力)と、
他の部分のグレードがあらわになるのです。
カートリッジの能力が上がって良くなる部分と、今までは気が付かなかったアラが両方やってくる・。・
20年くらい前までは LINN が推奨する「アップグレードの順番」というものが
マニュアルのようにチャート化されていました。
基本的に
「カートリッジから遠いアイテムからグレードを上げていきなさい」
というものでした。
なるほど、 周りのアイテムを固めていくことで、今使用しているカートリッジの性能を限界まで引き出す狙い。
電源から始まり → 底板 → トーンアーム(当時はサブシャーシに種類はありませんでした)
この順番でグレードアップしていけば アラを感じずに良くなったところだけ聴こえてくる。
この順番でグレードアップしていけば アラを感じずに良くなったところだけ聴こえてくる。
当時と大きく異なるのは サブシャーシが 3グレード用意されていることです。
<<MAJIK LP12 MM からのアップグレードで得られる効果を、アイテム別にご紹介!>>
・・・の前に、まず忘れてならないのが2020年より以前のLP12をお持ちの方は、まずは是非現行品の軸受け「Karousel」を!!!
<Karousel 軸受け>

33rpm /45rpm がワンタッチで切り替えられるだけではありません。
モーターシステムも合わせたアップグレードキットとなります。
モーターシステムも合わせたアップグレードキットとなります。
ターンテーブルの回転をセンサーで監視して、
最低限の電圧で専用の ACモーターを回す方式を採用しているため33rpm の音もまるで違います。
文字通り静かになり微小な音が際立ちます。深い奥行きと低い重心。
高精度に作られたターンテーブルをいかに静かに回すか、澱みなく再生されます。
(ちなみに、50Hz/60Hzも自動切換えになるので、お引越しの多い方には必須アイテム)
(ちなみに、50Hz/60Hzも自動切換えになるので、お引越しの多い方には必須アイテム)

◆Standard Sub Chassis → KORE サブシャーシ
実は ターンテーブル + 軸受 や トーンアーム といった 音を拾うために必要な機構は、すべて このサブシャーシにマウントされています。
サブシャーシ は プリンス(木枠)の上にある ステンレス製のトッププレートから3つのプリングで吊り下げられる形でバランスをとっています。
いわば「見えない大地」
腰の据わった安定感と情報量の豊かな表現。
ブレの無い定位感もサブシャーシの剛性向上によるもの。
腰の据わった安定感と情報量の豊かな表現。
ブレの無い定位感もサブシャーシの剛性向上によるもの。
◆ADIKT MMカートリッジ→ KRYSTAL MCカートリッジ
一聴して情報量が増え、立体感が増大。
繊細な音からエネルギッシュな表現まで 表現力と説得力がある。
さらに KRYSTAL から上位機種 と ARKO、EKOS SE(旧 AKITO、EKOS も同様)は、カートリッジを「3点止め」することが可能に。
トラッキングエラー角度や オーバーハングが常に安定した状態で取り付けることができます。
<3点留カートリッジ>
<3点留カートリッジ>

◆KRANE → ARKO トーンアーム
ともに 同じく スタティックバランス型のトーンアームながら、
ARKO は ダイナミックバランス型と聞き違えるほどのトレーシング能力。
鮮度やスピード感、緻密で繊細な弱音から激しいビートまで カートリッジの性能を引き出します。
以前にはなかった サブシャーシのグレード違い(Standard、KORE、KEEL)の登場により、より一層グレードアップの幅が広がりました。
必ずしも以前に LINN が推奨していた順番でアップグレードする必要はないと感じていますが、電源やサブシャーシのグレードは全体のパフォーマンスを大きく底上げしてくれること間違いなし!
そのままずっと使い続けるもあり、ご自身のペースで育てていくのも楽しいLP12は
生涯の友となります。
(金野)