
本棚やCDのある景色っていいですよね。
今のサブスク時代、モノを持たない選択肢もありますが、逆に大量にある中から選ばれてここにあるものが創り出している空間というのは不思議にその人となりをとても表しているようにも思います。
この写真のお客様が今回「入れよう」と決められたモノはPIEGA COAX511でした。
鳴らしているのはLINN SELEKTDSM Katalyst(プリ出力モデル)とMAJIK6100(バイアンプ4chのみ使用)。
このスピーカーの前は20年近くお使いだったNINKA(スピーカー)。それも10年以上AKTIVで鳴らしていらっしゃったので、次に何かを選ぶとすると選択しが狭まります。
LINNのAKTIVやEXAKTという鳴らし方は、スピーカー内部のネットワークを通らないので、スピーカーにもアンプにも負担が少なくパッシブのスピーカーでは中々聞こえない音がするのです。
・・ですが、PIEGA COAX511の極薄なアルミ箔と強力なマグネットで構成される同軸のリボンユニットは情報量も多く、高域も伸びるためAKTIVに慣れた耳にも違和感がなくスルっと入れ替わり、華麗な転身となりました。
木製のいい雰囲気だったNINKAからすると、デザインといい、音といい、ずいぶん傾向の違う方向へ行かれるところもあったかと思いますが、その人の「眼」(感性)によって選ばれたものというのは、不思議に調和するもの。
その後、クラシック、ブルース、ポップス、ロックと幅広くお楽しみのご様子で、様々な音楽を聴かれた素敵なご感想と共に
「このスピーカーにしてよかった」
といただきました。
いただいたご感想が素敵でしたので、ご快諾得てここに掲載させていただきます。
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ヴァント ブルックナー第4番は、前に出てくる音とか背後の音とかその辺を漂っている音が重奏的、複合的に形姿を持って聴こえてきます。
録音が悪そうなデルタブルースを聴いてみると目の前でサンハウスがギター弾いて歌っているように聴こえます。
グラミー賞のビヨンセのブラックバードのカヴァー、ローリング・ストーンズのローリング・ストーン・ブルースの音も初めての体験でした。
音楽って今あるリソースの再構築、再利用、再配置そのもので、合意主義では生まれない、ゲシュタルト的な、単なる楽器や演奏家の総和以上を生み出すような音や響きの再構成によって創造されて、その演奏をこんなふうに何度も再生できるわけだけれど、一方で、再生するときも機器や部屋の環境など今あるリソースに応じてまた再構築、再利用、再配置されてるのかーとしみじみ感じました。
そんな事自明なのになぜか感動的です。魔法のようですごいとしか言えない。このスピーカーにしてよかったです。
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お部屋や音楽に馴染んで、益々発揮してくれていることと思います。
(竹田)