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以前Davone TulipやNuPrimeのアンプをお求めいただいたお客様から、ウェグナーのダイニングチェアPP701のご注文を頂きました。

PP701は、ウェグナーが奥さんのために作った椅子という話がありますが、華奢な見た目ながら腰かけると、背中の中ほどを支えられて背筋が伸びて姿勢が良く見えるうえ、掛け心地も良い名作です。

PP701のご納品と合わせて、お持ちのウェグナー、PP503 The Chairのメンテナンスのご依頼を受けて、お預かりしてまいりました。

お預かりしたThe Chairの裏側にはWegnerのサインが。
珍しいなーと、スカンジナビアリビングさんにお渡ししたところ、日本支社長で、デンマークと日本のハーフでいらっしゃる羽柴社長からお電話が。

「これ、すごいね!お客様どこで買ったんだろう。これは僕も初めて見たよ!」
お客様は22年近く前に、麻布のあたりにあった家具屋さんでお求めになられたそうなのですが、これは、なんと驚きの逸品だったのです。

デンマークのウェグナー生誕の地、トゥナーという町に、ウェグナー・ミュージアムがあります。
そこは元々給水塔だったそうで、円筒形なのでおそらく螺旋に上がっていくのかな、階段をあがっていくごとにウェグナーの名作が展示されているのだそうです。

ウェグナーのことをよく知らなかった何年も前に、青山のスパイラルカフェでウェグナー展があり、円形に椅子が展示されているのが印象に強く残っています。建物の造り上のことだったかもしれませんが、そんなところにも通じるものを感じます。

さて、その給水塔の最上階には大きなテーブルの周りに40脚ものPP503が展示されているのだそうです。
このサイン、1995は、まさしくミュージアム開館の年。
そして、36/40は、その最上階のために作られた40脚の内の1脚ということ。
ウェグナー本人のサインによるものなのだそうです。

そして、お客様にそんなお話をしながら、羽柴社長も首を傾げます。

推理としては、40脚収めるためには、何脚か余分に作っているだろうから、その1脚がここにあったのかもしれないし、最上階には元々38脚とか37脚とかしか置いていないのかもしれない。
今度行ったら数えてみます(笑)。

お客様は、そんなこととは知らなかった、ウェグナーが日本に来て、ササッとサインしたのかと思っていた。
ウェグナーは旅行が嫌いで、日本には来たことがないのだそうです。

貴重な話と共に、家宝にしますとお客様。
少し息も絶え絶えなんだけどまだ一応動くんだ、と30年前のB&Oのシステムを大切に持っていらしたり、ものを長く大切にされているのは、モノたちがそれぞれ活き活きしている様子からも伺えます。

メンテナンスを施されて、気持ちよさそうなPP503、PP701に挟まれてにんまりしているように見えませんか。
(竹田)

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