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時間があるので、積んどくは読んどくへ。
最近は小説が多い。
★春にして君を離れ/アガサ・クリスティ 1944年発行
名探偵ポワロなどの映像は当時の風俗と共に楽しむけれど、ミステリーやサスペンスって、時代性とかテンポとかでどうも古く感じられてしまうような気がして(本当は全然そんなことないんだけれど)、あまり手に取らない。友人がインスタグラムで「死人が出ないのにこわい」と紹介していて手にしたこの小説は、人間の性質の普遍性が描かれていて、結構怖い。
1944年発行だから、80年近く前なのに、人間の本質ってあまり変わらないのね。
この新型ウィルスの一件から、カミュの「ペスト」があちこちで読み直されている(実家にも届いていた)けれど、そんなものなのでしょうね。

中に、シェイクスピアのソネットが引用されるのですが、とても美しい詩。
というか、日本語訳が素晴らしくて、それ自体が作品だと思いました。
この題名もシェイクスピアのソネット第98番からの引用。
素養のないワタクシでも、シェイクスピアに興味がわきます。

★デッド・ゾーン/スティーブン・キング 1987年発行
これは完全にキング節のエンターテインメントで楽しんだのですが、、、
絶版になった小説の古本を手元に寄せたら、はらりと落ちてきた紙切れ。
「食券」
95年のもので、お店の名前は知れず。

ほかでもないスティーブン・キングの本でこういうことがあると、なんだかSFチックな感じで、捨てられずしおり替わりとなりました。


挟んであったのが下巻だったので、この人も食べながら読みたいぐらい熱中したんだろうなぁと、クスッと笑えました。

キング小説の映画化・ドラマ化は、小説を読んだ後だとがっかりするので見ない。登場人物がもっと活き活きしていて、まなざしがどこか優しいので、救いようのない悪人でも活きているし、読後感が悪くない。(割と爽快)
普遍性と言えば、大統領選が描かれる部分もありますが、当時も今も変わらないなーと思います。

多作なので、過去にさかのぼって絶版も探せばまだまだ読むものがあって嬉しいけれど、87年に書かれ、95年で18刷にもなっているこの「デッドゾーン」でさえ、絶版になってしまうんだなぁ。
音楽と違って、本はまだ文庫で読みたいのです。
(竹田)

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