弊店では5-60年代のヴィンテージスピーカーを扱っておりますが、キャビネットに米松を使用しているものが割と多くあります。
例えば、ご存じパラゴンの初代は、米松のみで作られていますし、弊店で扱う時代のパラゴンは、パーチクルボードと部分的に米松を使用(後期モデルはパーチクルボードのみで作られています)。先日のメトロゴン、その他バイカウントやバロンも時代の古いものは米松をキャビネットに多く使っています。
今回ご紹介するドイツのロレンツも、米松のキャビネット。
このスピーカー、デザインとても素敵ですし、ヴィンテージの中では小ぶりで、魅力的なのですが、イマイチ響きが多いんだよなぁと思っていました。
そこで、昨今のメトロゴンMetregon、Old Jensenの流れで、吸音してみようかなと。
と、いうのは弊店では現代のアンプでヴィンテージスピーカーを鳴らすことが多いのですが、米松だと時にちょっと響き過ぎることがあるのです。それはそうですよね。当時のアンプと比べたら、アンプの作りが別物ですもの。
すでに吸音能力の低下していると思われる吸音材の上からほんの少し足すだけですが、それでも随分変わるもの。
今回は底面に吸うタイプ(ポリエステル)の薄くしたものを全面に張り、その上に響きを抑えるタイプのシンサレート8センチ角くらいをチョコンと置きます。ちょうど後方に迫り出しているユニットのマグネットカバーの下あたりになるでしょうか。
それからバッフルと側面の板の角になるコーナーに細く入れます。
今回は一旦ここまでで背板を締めました。
この背板、スライド式で下から差し込み、その上からネジ止めします。実に色々な作りのものがあるものです。先人のカットアンドトライを感じますね。
なかなか良い感じになってきました!一見アメリカ的な明るい響き。でもドイツらしい渋さが垣間見えます。
これ、ユニークなスピーカーで、30cmLP-312というフルレンジが正面向いていて、円盤形ツィーターが上に向いている2wayスピーカー。
JBLアクエリアスと逆パターンですね。
もう少し吸音寝かせて、来週仕上げましょう。
(竹田)