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村上春樹の短編集「一人称単数」中の「謝肉祭」という短編に「リンの大型スピーカーを使っている」という登場人物が出てきました。

ちょっと身震い。
JBLやタンノイはいくらでも小説の中に出てくるし、お洒落な雑誌のオーディオ特集では、やはりマッキントッシュのブルーアイズや、アルテックのホーンスピーカーなどがページをにぎわす。

かくいう私だって、オーディオを良く知らない人と話す時に、ついそうした名前を連ねるじゃない。
それなのに、小説に「リンのスピーカー」だって!
時代は流れているんだなぁとしみじみしてしまう。

そうはいっても書いているのが村上春樹だし、それならリンのスピーカーだって登場するかもしれないけれど、自分はリンを知りすぎているので、これがどんな風に受け取られるんだろう。と思ってしまう。
この登場人物がどんな趣向の人だと読み手は想像するんだろう。
しかも使っている登場人物女性なんですよ。
(しかもアキュフェーズのCDプレーヤーとアンプで鳴らしてるというから、うちの店では買ってないよねえ(※)。・・いやいや小説だって)
※ 弊店、アキュフェーズのお取り扱いがなく・・。

小型ならまだしも大型だからねえ、とか色々ひとり余計なことまで邪推してしまいましたが、これでシューマンの謝肉祭を聞くきっかけにもなりました。
(今まであまりシューマンは聴いていないのです)

星野源さんがLINNのLP12とボーニックのスピーカーを使われているということで、ファンの女性が「源さんが聴いている音で、源さんのレコードを聴きたい!」と来店されたことがありましたが、その心理今回よくわかりました。謝肉祭、リンのスピーカーで聴いてみようと思いましたもの。
(店ではアンプもLINNでしたが)

しかし、小説で音楽の固有名詞、特にクラシックの演奏者の名前を見つけると、なんでこんなに嬉しいんだろう。親近感も沸く。
あまりにも知らなさ過ぎた過去の自分への優越感か。
(竹田)

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