◆Joel Remmel Trio(ジョエル・レンメル、トリオ)「Lumekristall」
エストニアのジャズピアニストと聞いてもピンとこないでしょう。アトリエサワノ のアーティストでは圧倒的な人気のベテラン、Tonu Naissoo(トヌー・ナイソー)がいますが、今回ご紹介するのは別の人。若手のピアノトリオなのです。
全体を覆う厚い雲、湿度と冷たい空気感は、他のサワノジャズのアーティストとは異なる魅力。
ちょっとフリージャズっぽい部分を聴かせたり、牧歌的な懐かしさも織り交ぜたり、美術館やギャラリーで流している音楽のような、空間の広さを感じさせるもの。
お気軽スタンダードJazz ではなくオリジナル曲で勝負しているのも彼らの特徴。
オーディオ的には、tr6 の冒頭で Bass のアルコ(弓弾き)からシンプルなピアノと細かなパーカッションが混ざり合う様が美しく、定位やスケール感のチェックに使ったりもしてます。
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◆Lex Jasper Trio(レックス・ジャスパー・トリオ)「Happy Days are here again」
打って変わり、オランダのジャズピアニストは結構目にする(耳にする)存在。
みんな明るくポジティブな演奏をするイメージがあります。
Lex Jasper は長いキャリアの中、体調を崩してしばらく活動を休んでいたベテランピアニスト。久しぶりの復帰作がこのアルバムなんだそうです。
そう言った事情を知らずに聴いても、前編喜びに溢れた雰囲気に包まれています。
真冬なのに暖かい小春日和を思わせるメロディ。晴れた日に公園に犬の散歩に出かけたくなる(飼っていないのでイメージ)感じ?
予定のない休日、Jazzスタンダードあり、70年代シンガーソングライターの曲ありで、ただただ流していてハッピーな1枚なのです。
対照的な2タイトル、ぜひお試しください。
(金野)