クラシックは交響曲派の私でしたが、最近はピアノ曲を聴くことも多くなりました。
それはおそらく好きなアーティストとの出会い故なのだと思います。
以前は、若きドイツの天才ピアニスト、マルティン・シュタットフェルトの若く瑞々しいバッハ「ゴルトベルグ変奏曲」にはまり、
20世紀の3大ピアニストに1人にも数えられるルービンシュタインのラフマニノフ ピアノ協奏曲2番やショパンに、誇張しすぎず、かと言ってつまらなくならない演奏を好んで聴くようになり、やはり天才のなせる業なのかと思ったり(ルービンシュタインのチャーミングなような意地悪いような「ニッ」と笑った顔も好き)、
ルービンシュタインの演奏に慣れていた耳にはピアノが煌めき過ぎるように感じたアメリカのバイロン・ジャニスのラフマニノフやプロコフィエフに傾いて行ったり・・・
バッハは何となくまだ難しく感じますが、リヒテルの「平均律」は聴ける、とか、誰誰のこれなら・・・とか・・・。
はまった時期に集中してCDを買い集めていて、同じピアニストの演奏ばかりがライブラリにたまっていき、雑誌や本で読んだ「名盤」を聴こうと、沢山あるつもりになっていた我が家のCDラックを見ると意外となくて、何となく偏った好みなんだろうなと思いながら次のCD買い物リストに書き加えていく。そんな繰り返しです。
それはそうと、今はまっているのはイーヴォ・ポゴレリチ。ユーゴ出身のピアニスト。
話に聞いたところによると、かなり型破りでハチャメチャな演奏家だとか。
天才ゆえか、かなりセンシティブな方のようで、少し(だいぶ?)破綻気味な人生を送られている模様。
今はあまり新譜などは出されていないようです。
初めに聴いたのは、モーツァルトのトルコ行進曲でした。
子供の頃の習いごとで、自分の指にも覚えのあるこの曲をこんな風に聴いたのは衝撃的で、一瞬にして名前とハンサムな顔が脳にインプットされました。
が、JAZZにはまっていたその頃、何となくすぐには手を出さずに、昨年末急に聴きたくなり、探したり、借りたりで数枚のCDを手に入れたのでした。
ショパンのなんと美しいこと。
「かぁぁ~、今の音!!こんな音が出せるなんて!」と感嘆しながら聴いていますが、多分「琴線に触れる」ってこういうことなのではないかな、と思います。
先日の夜中は、小さな音でリストをかけながら寝ようと試みましたが、脳のどこか普段刺激されない部分にずっと働きかえられるような感じで、返って聴き入って眠れなくなってしまいました。
この人のこの美しい響きは、私の浅い経験の中では他で聴いたことがなく、かなり長い病となりそうです。
今もご健在なのに、新しく録音されていないのが残念でなりませんが、返って数限りある演奏を深く聴くのもよいような。
何を書きたいんだか、つらつらと・・・。
徒然なるままにな本日のブログ。
(竹田)