Legato EYES

セッティングしていて、いつも迷います。

スピーカーを前に出すか後ろに下げるか、
角度をつける(振る)か否か、

音が被っていれば、前に出したり、角度をつけたりして、壁からの距離をとる。
その逆なら・・・

要は、スピーカーの出音に対して、
壁からどのくらいの距離が最適なのかを探るというだけのことなのですが、
これが迷う。

ボーカルが中央にくることを確認しながら、低音の振舞に耳をそばだてます。
壁から押し戻される距離が足りていないから中途半端な響き(=うるさい)になるのか、
あるいは壁とスピーカーと距離が近すぎるから低音がこもって高域も伸びないのか。

ウーファーの口径が大きくなってくると、この低音がどちらを示すのか迷う時があります。
セッティングが良い線いってくると、5mmの差も臨場感の出方が大きく変わる。

たとえばエリントン楽団とエラ・フィッツジェラルドのコートダジュールのライブ
「Mack the Knife」の冒頭、ドラムとピアノの、むやみに押し出しされていた低音。
その5mmの差で、今自分が居る試聴室の空気をリズミカルに動かす時。

シナトラの「Nice n Easy」、シナトラの声と一緒に右から入ってくるピアノが綺麗に後ろで響いているのに気付く時。

上原ひろみの「ムーブ」の冒頭、ピアノの打鍵と短い響きの減衰が、心臓の鼓動に聴こえた時。

低域の「ため」は、幸せな「ため」息となります。
それで少し欲張って動かすと、幸せ、逃げてしまったりするのですが・・。

さて、今週のLegato2Fは、久々にヴィンテージスピーカーで、ALTEC 847A Sevilleが。

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