私がサウンドクリエイトに入社したての頃は、LINNのホームシアターやマルチルームシステムのご要望が多く、世の中でもシアター全盛期という感じもあり、LINNというメーカーが日々の生活に寄り添ったものを作りたいのだな、という印象を強く持っていました。
その後ユニバーサルプレーヤーUNIDISKの不具合の対応で大変だったり、世の中でもフォーマットがDVDから、BluRayになるのかHD DVDになるのか規格争いがあって、状況が安定しなかったり。そのうちDSの登場でユニバーサルプレーヤーも含むドライブメカを内蔵する回転系のプレーヤーはLINNのラインアップから消え、同じ頃AVコントロール系も生産終了となり、LINNはシアターシーンから完全に撤退したかのように見えました。
それがDSMにHDMI基板が搭載され、素晴らしい音で映画を楽しめるようになりましたが、2chで十分でしょう…と言わんばかりの空気で、やはりシアター、サラウンドにはもう手を出さないつもり…と思っていました。
が、一昨年EXAKTスピーカーを使ったサラウンドをシレッとリリース。しかもソフトウエア上でのアップデートで出来るようになったというシレッとぶり。EXAKTスピーカーを使うのと、BDプレーヤーからPCMマルチで出せるもの…という条件つきでしたが、さすがLINNの仕事。恐るべき繋がりの良さで、後ろのスピーカーが鳴っていないと思うほどでした。
EXAKTサラウンドは素晴らしいけれど高いなー、それでいいのかなーなんて思っていたら、今回のニュース。
私はなんとなくオカシイ気分になりました。諦めてなかったんだ、シアター。
当時苦労したマルチルームは、DSのネットワーク構築で、当時と同様のことが、簡単にやすくできるようになった。
今度はシアターです。
リン、カムバック シアター。
なんとなく彼らの根性見た気がしました。
(竹田)