先日、星野源が伊丹十三賞を受賞した時のスピーチがネットのニュースで流れていました。
星野源といえば、昨年のドラマ「逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)」の主役を張り、主題歌「恋」は歌うだけでなく、作詞・作曲もして、紅白にも出場。
主題歌の振り付けの踊りは「恋ダンス」として、様々な人が踊り、多くの人がYoutubeでアップする・・そのくらいの情報はドラマを見ていない私にも自然と入ってきて、いろんなことをする人なんだなぁ。と思って見ていたものでした。
その星野源が、音楽の現場では「芝居の人でしょ」と言われ、芝居の現場では「音楽の人でしょ」と言われ、常に本流ではないようなことを言われたのでしょう、なんとなく居心地が悪かったのだ・・というようなことを授賞式のスピーチで言っていました。
良いスピーチなので、詳しくはネットのニュースで見ていただくとして・・・
そうよねー・・と思います。
人って、なんとなく役割や肩書きを与えられ、また与えたがるもので、それが1人に重なってくると、なんとなく居心地が悪くなるものだと思います。
自分でも枠を作りがちで、「オーディオ屋です」と言ったら、オーディオしか扱わず、頑張って「家具を扱うのは、オーディオでは椅子に座って聴くし、椅子が重要だからです」と言ったら、なんとなくしっくりくるな・・と。
先日、弊店のLOUNGEに協賛してもらっているヴィンテージのデンマーク家具「KAMADA」のお客様がLOUNGEに家具を見に来られた時のこと。
横で鳴っていたLINN DSとOCTAVEで鳴らすTANNOYの音に、こういう音は久々に聴いた・・と聞き入られ、自然とシステムについて色々質問を受けました。
ひとしきりご説明した後に、やっぱりこういう家具とオーディオはお客さんがクロスオーバーするんですか?と聞かれました。
KAMADAで扱っている家具は、それこそヴィンテージの中でも一級品ですし、アトリエJeTeeから入れているヴィンテージスピーカーも錚々たるもの。
年月を経てきたものの中でも、特別なものが並んでいるので、そのいずれかをわかる人は自然にその凄さはわかるもの。
自信を持って「はい」と答えました。
そう。なのです。
話が行ったりきたりしますが、オーディオで椅子が必要だから・・だったら、もっと他のもう少し求めやすいものもたくさんあるのです。
でも、そうではなくて、同じレベルで語れるモノだから、やっている。
値段のレベルの話ではなくて、作り手と、それを伝える人、受け取る人・・その位相(?)が合っていないと、LOUNGEは成り立たないのです。
だから、合ってさえいれば、枠なんか必要なくて、靴だって写真だって、ギャッベだって洋服だって、なんだってやっていいんじゃないかと思いました。
星野源のスピーチから少し離れたまま戻ってこられなくなりましたが(ウチのブログでよくあるパターン)、あるレベルのクオリティと、決して安くはないけれど見合った価格のもの、そこに作り手の愛情、あるいは伝える人のモノへの愛着・・そも3つが揃っていれば、LOUNGEでは何でも出来る・・・と、この度の「ビスポークと音楽」イベント1日目を終えて、思いを強くした次第でございました。
食後のお茶にしみじみと。