アンプの調子が悪いというお話しがあって、かなり久々にお伺いさせて頂いたM様のお宅。
さて、セッティングを始めましょう!
その前に・・・スピーカーは、PIEGAのCL120X。
顔くらい大きなリボンの同軸2ウェイユニットC1を使っており、天にも昇るような高域、クリアで浸透力が高く厚みのある中域・・・。ソプラノ歌手の声などほとんどこのC1だけで受け持っていて、シームレスで素晴らしいのです。そしてこの中高域がどれだけ生かせるかは、低域次第でもありますが、たっぷりと豊かで深く出る低域とこのリボンコアキシャルユニットは、バランスがよく、素晴らしい音楽性です。OCTAVEのプリアンプHP500SEとMRE130で鳴らし、ソースはKLIMAX DSとLP12。
まずは調子の悪かったHP500SEの真空管を交換。症状がおさまったとのことでしたが、導入されて7年なので念のためと、真空管を変えました。音がクリアで滑らかになりました。よかった!やはりどこかに問題を抱えていたようです。
セッティングはここから。
バーチャルアースを施していますが、写真に映るこれら全ての機器の電源を1系統からとっていたため、アンプだけ別電源にしてみることに。
音に芯が出て腰が座り、高域が伸びるようになりました。
それからボード。
今店頭でお勧めしているスリット入り(スピーカーの真下です)で、積層になっているボードをご用意しました。
少し大きすぎるように見えますが、厚み、大きさなども考慮の上。
環境にもよりますが、あまりボードが小さ過ぎると、 ボードごとサーフィンしてしまって、どうもどっしりした低域が出ない・・・ということがあります。
また、ボード自体を重たくしていくと、音の抜けが悪くなってしまったりします。
ボードを換えてスピーカーの位置も見直し、ラックの増し締めや、アンプの置き方を変更(トランスなどが横並びになるのを避けたり)。
すると、低域はますます安定し、バルトリの声は奥まって聴こえていたのが、音が前に出て、スピーカーの間に立つようになりました。それにしても美しい声。
ピッコロなどは、少し線が細い感じに聴こえていたのが、芯が出てニュアンスが分かるように。
M様も「ずいぶん変わりました。聴いていた音とあまりに違うのでビックリですが、好みの方向」とのこと。
昼間は暖かかったですが、日も暮れてストーブに火が。
M様の愛犬は、「いつ散歩に行ってくれるのかなー」と、やや心配げ。
ごめんなさいね、冬の海を眼前にPIEGAの美しい響きがなんとも名残惜しいですが、もう帰ります!