このジャケットからまず想像してみる
” “付きのタイトルだから、諺の”See No Evil, Speak No Evil, Hear no Evil” (見ざる言わざる聞かざる)の真ん中を取ったものと思われます。
日本の諺かと思ってたらイギリス発らしく、キリスト教の「悪いことは」見ない、言わない、聞かないという教えだそうです。
(わかっていてもなんとなく現代の風潮では、事勿れ主義みたいに思ってしまいます)
さて、なぜ“Speak no evil”選んだのだろう。
アルバムのタイトルなら、たとえば悪いもんは聞いちゃダメだけどこれはいいもんだから聴けるよという意味でHear no evil とかならわかるけど、なぜSpeak、、。
しかもジャケット、ちょっと妖艶な女性がいて、その後ろに控えるウエィン・ショーター本人。
ご丁寧に彼女のと思わせるリップマーク付き(これはやりすぎの気もするけど)。
人の悪口とか、悪いことを口にしない女性って聡明で大人で強さがあるイメージ。この女性もそんなふうに見えます。
音楽は…ウェイン・ショーターのリーダーアルバムってやかましく聞こえてしまってあまり積極的に手に取らないのですが、このアルバムちょっといいかも。
全曲ウェイン・ショーターオリジナル。
一曲目のWitch Hunt(魔女狩り)と4曲目のSpeak no Evilが途中同じようなフレーズがあって聴いていると既視感を覚えたり、Infant Eyes(幼な子の目)にはひたむきさを感じる、ジャケットの女性の視線にも通じる。Wild Flower(野の花)の強さもこの女性のイメージ。だいぶジャケットに引っ張られてるかしら、、。
何度か聞いているうちに演奏にキレがあって、なにかしら肌合いというか優しみを感じる。ショーターってただやかましいだけじゃないのか、もしくはこのアルバムがいいのかも。
この辺でアルバム情報を検索してみると、、
この女性は、日系のアイリーン・ナカガミという奥様なのだそうな。なんだか大切な感じに聞こえたのはそのせいか!
“infant Eyes”は彼女との間の娘さんのMiyakoさんに捧げたナンバーなのだそうです。
全体的にうっすら幸福感が漂うのは充実した時期だったのでしょうか?
“Speak no Evil”をタイトルにした意味はよくわからないけれど単なる「見ざる言わざる聞かざる」の略として使ったとしたら、悪いことを見ない言わない聞かないようにする教えというよりは、娘さんに、そういう悪い局面になるべくならない、悪いことががふりかからないようなお父さんの願いからだったりして。そんなことを空想。
だから魔女狩りとか死体のダンスとか、ジャックと豆の木からとったというFee-Fi-Fo-Fumというタイトルとか、魔除けみたいな感じの曲名が間に入ってるのかもしれない。
これはアルバムで聴きたい1枚でした。
ちなみに、今日はAurorasound HF-SA01のプリメインアンプでJensen Old Imperial(TypeH)で聴きました。
(竹田)