前回(お土産話は置いておいて)Vol.5では、メタルワークでシャーシの造りを見てきました。
今日は、製品内部へ進んでいきましょう!
みなさん、僕が持っているのがサーフェスマウントボードです。
その前にサーフェスマウントって?
…日本語に置き換えるなら、「表面実装基板」です。
見ての通り、基板にディバイスが直接取り付けられたもの。
これだけ見ても、なんとなくピンとこないという方もいるかもしれませんが、例えばインターネットで「アンプ内部」と打ち込んで画像検索したりすると、大抵の場合大小のパーツが並び、たくさんのリード線やケーブルが使ってあって、パーツとなるべく触らないように配線に苦労している様子が伺えます。
LINNに戻って見て見ると、基板上にリード線や配線は滅多に見られません。
信号経路をプリントされた基板にディバイスを打ち込み、ハンダで接合されていきます。
誰のためのものか、このエリアの説明?と見られるこんな張り紙がありました。
なになに?
「表面実装技術(SMT)は、部品がプリント回路基板(PCB)の表面に直接実装、または配置される電子回路の製造方法です。このようにして製造された電子ディバイスは表面実装ディバイス(SMD)と呼ばれる…」とありますね。
(最近はGoogle翻訳が優秀で、なんと写真から読み取って翻訳してくれますが、ここから先は、LINNのことを知らないGoogleさんの直訳はかえってわかりにくいので、私の適当説明にスイッチ)
各パーツの基板への取り付け方は、リード線を使うやり方から「スルー・ホール・テクノロジー」に置き換わってきたようです。
大きなトランスなどならリード線で取り付けることができるでしょうが、ディバイスは小さくなる一方ですもの。
「スルー・ホール・テクノロジー」は、予め穴の空けられた基板にディバイスが打ち込まれることかと思いますが、これを見てください。
このテンプレートに、ハンダペーストが載せられて、小さくあいた穴から基板にハンダが落とし込まれます。
綺麗に整列した大小の穴。
まるでグラスゴーの街そのもののよう!
これは基板を背面から見たもの。
ちなみに、星みたいに点々に見える小さいハンダは機械によるもの。
少し大きいハンダ(大きいパーツのところ)は、人の手によるものです。
先ほどから見ていた青い基板はKLIMAX、黒はAKURATE、緑基板がMAJIK、SNEAKY、KIKOです。
今日はこの辺まで…ということで、最後にいい話。
グラスゴーにはクライド川が流れていますが、かつてはこのクライド川流域に海軍の造船所があり、イギリスの造船業の中心地だったのだそうです。
製造の最終工程を終え、検査を通った船には「CLYDE BUILD」という印が刻まれたのだとか。
それに因んで、LINNの基板にも「CLYDE BUILD」という印が入っています。(上の写真の青丸のところ。手ブレしていますが…。)
船が、果てしない海へ旅立っていくのと同様、製品を手にした方の音楽の旅の始まりに願いと祈りを込めて。
LINN メーカーサイト