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今日、3月28日は、ピアニスト・作曲家である セルゲイ・ラフマニノフ の命日です。

映画「シャイン」で、運命的なテーマとなって描かれていた”ピアノ協奏曲第2番、第3番”はラフマニノフの代表的な作品。
官能的な美しさと評価され、同映画中でも”最も難しいピアノ協奏曲”という設定で使われていました。

私はあまり詳しくないのですが、ラフマニノフといえば”巨大な手のピアニスト兼作曲家”とか”ピアノ協奏曲第2番”しか連想していませんでした。(←ほとんど映画の影響です)

しかし、ある日ふと目にした雑誌の文章で「ラフマニノフの大スランプ時代」があった事を知りました。
最初の交響曲第1番が酷評を受けたことが原因で、神経衰弱に陥ってしまい、その後全く作曲ができなくなってしまった・・・

ラフマニノフはどうやってこの危機的なスランプから脱したのか?
きっかけは、ある人との出会い。
精神科医ニコライ・ダーリは、暗示心理療法を用いて「あなたは素晴らしいピアノ協奏曲を作る・・」と語りかけ続けたそうです。

少しずつ自信を回復したラフマニノフは、ついに”ピアノ協奏曲第2番”を完成させ、作曲家ラフマニノフという名声を確実なものにしました。

酷評を受けた 交響曲第1番 の初演が 1897年で、復活の ピアノ協奏曲第2番 が 1901年ですから、4年間絶えず苦しみ続けたことになります。
運命的な出会いとそれを大事にしたこと、最後は自分を信じ続けたことが「スランプ脱出」へと導いてくれたのでしょう。

写真のCDは、マルタ・アルゲリッチによるピアノ協奏曲第3番ですが、苦しみから解放されて自信に満ちたラフマニノフの旋律と、時に調和も忘れて自己の情感をダイレクトに鍵盤に落とすアルゲリッチの強さが、ズシンと響く感じがします。(特に自分がスランプのときに・・)

(金野)

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