9月半ばのイベントで、Tannoy コーナーカンタベリーを鳴らしその後も鳴らしていましたが、イベント用にかなり幅を持たせ、左右スピーカー間でテニスが出来るくらい広げていたので、セッティング変更することに。
プレーヤーとアンプは、LINN KLIMAX DSMとOCTAVE V40SE。
相変わらず、中の吸音は多少しかしていないので、背板は外しています。(お客様のお宅にお納めする前にお好みに応じて吸音するため、そのままに)
ネットワークをまだ固定しておらずキャビネットの中に入れると響いてしまうので、ネットワークも外に出しています。
これで、先日イベントでかけたブルックナーの8番や、お客様が聞かれていてハマり中のペギー・リー「Is that all there is」やラヴェルのピアノ協奏曲、相変わらず毎日聴いてるフィガロの結婚に、マイケル・ジャクソン「I Just Can’t Stop Loving You」。エラ&ルイから「Cheek to cheek」など、、。最初はどれも中域がぼけていたので、スピーカーの角度をぐっと変えて、モニターレッドのユニットが正面を向くように変えてみました。
このスピーカー、コーナー型なのに弊店の横広なラウンジに置かれて、反射の壁はないし、後面開放だし、プレーヤーKLIMAXだし!我が家とはだいぶ状況が異なるので、こういう時はカット&トライしかない。
あんまりダメな音ばかり聴いていると、心が折れるので、エリントンとホッジスの「loveless love」を挟みながら。モニターレッドでこの曲は絶対外さない。畝るようなアルトサックスは粘りのあるモニターレッドと最強の組み合わせだもの。
ところが、ペギー・リーも、ルイ・アームストロングも、ぼんやり。マイケル・ジャクソンなんて聞けたものでない。
スピーカーの位置を左右等距離に、角度を調整、前後と動かしていくうち、中々よろしい感じに。ボーカルはピッタリと中央に、オーケストラは広がりがあり、深いタメも出てきた。
しかし、このスピーカーの良さは中域の抜けの良さ。輪郭がはっきりして、ヴィンテージに収まらない今を生きる活き活きとした音色。
モヤモヤとしていたところへ軽やかなアドバイス。「それ、左右逆にしてみたら」。
上の写真でもお分かりいただけるように、後面開放にしているのが、コーナーの一面なので、左右を変えると、開いた窓は外側になります。
これを変えたところ、中域にモヤモヤしていた響きは、荷物をおろして足取り軽く、輪郭がいきなり明瞭に。
何より、ルイ・アームストロングの歌い出しの「I’m in Heaven」が、腹にストンといい重さを落とす。天国にいると言うくらい気持ちに羽が生えているのに、やっぱり地に足がついちゃってる、生きてる感。
これこれ。
モニターレッドは、コーナーカンタベリーはこの感じ。
リアルとロマンの共存。だから好き。
できるやつです。でももうちょっとセッティング術が必要かな。LINNのKLIMAXがいつかウチに来ることを夢想して。
(竹田)