三夜連続スペシャルの最終回です。
前回までのお話・・・A様のお宅へ久々にお伺いし、「バーチャルアース」を施し、しっかりとした低域が出て、音がクリアになり、A様も私たちもハッピーな気分で話が終わる・・・はずでした。
ところが、2日後A様からの電話で驚くことは「あのケーブルは好みに合わないから返したい。」という内容の電話・・・。
「えーーーーーーーっっっ」と心で叫びながら「一緒に聴いてあれだけ良いと仰ったのに・・・」という思いから、つい「あの音のままで、お気に召さないんですよね」と伺ったところ、「あのままならよかったけど、今はベールをかぶせたみたいな音で、窮屈な音になっちゃったんだよ。音がキツくて聴いていられない。」とのこと。
・・・何かがおかしい・・・。
でも、バーチャルアースはほぼ間違いないはず。
「とにかく来て聴いてみて。こんなに違うんだからすぐおかしいことがわかる」
さて、お伺いの当日、A様は既に「聴いてて暗くなるから」(それほど悪い)と、元々お持ちのアンバランスケーブルに変更されていました。
「違いはすぐわかるよ」とNuForceのケーブルに変更したところ、前回聴いたのと変わりなし。
やはりお持ちのアンバランスケーブルより低域、空気感が出てクリアな印象。
A様「おかしいな、この音なら全然問題ない。でも凄くわるくなったんだよ」
A様の仰る変化(おかしくなり方)は、機器やケーブルのキャラクターではなく、何かが間違っている音。
また、間違った接続で音が崩れても、一度電源を切ってリフレッシュするとまた良くなるというのはよくあること。
そして、今回は数曲聴く間に既におかしくなり始めていました。
機器間をめぐる信号から「違うことしているやつがいるよ!」という抗議を感じながら、
さて、何を間違っているんだろう、と当店男性スタッフと共に、もう一度システムの見直しを。
すると、男性スタッフ「わかった・・・。多分これだ」。(私、まだわからず)
今回も解答から先に参りましょう。
問題はバーチャルアースではなく、ここにありました。
「アンプとスピーカー間の接続。」
A様のお宅では、2台のJSPのウーファーと、ジャーマンフィジックスのトロバドールを接続されています。(2.2chの構成)
ウーファー、トロバドールそれぞれに、外付けのネットワークがありますが、これら両方が並列つなぎでアンプへ接続されていました。
そう、これが問題だったのです。
「どうして?2つともアンプに直接接続した方が力が出るんじゃないの?」とA様。
2種のスピーカーがアンプへ直接つながるということは、片側2台分、左右合わせて4台分のスピーカーの逆起電力がアンプへ戻るということ。これはアンプにとって非常に大きな負担です。
これでは、アンプはしっかりとユニットをドライブすることができないのです。
そこで変更したことは、
- トロバドールのネットワークとアンプを接続しているケーブルの接続を変更。
つまり、アンプからJSP(ネットワーク)へSPケーブルを接続し、JSP(ネットワーク)からトロバドール(ネットワーク)へ渡しでSPケーブルを接続したのです。
さて音は・・・?
バーチャルアースを施した後の音に輪をかけてよくなり、クリアで低域が伸び、音場は広く、キツさも全くなくなりました!!
前回数日後におかしくなったため、これがぬか喜びになるのでは?と心配顔のA様。
「この音が続くならいいんだけど・・・。」
その後1週間して「いい音が持続してどんどん良くなっている、素晴らしいですよ!」とのこと。
めでたしめでたし・・・チャンチャン!
・・・といきたいところですが、皆様何か不思議だと思いませんか?
きっと不思議な点があるはず。
これについては、明日の総集編でお話ししましょう!!
(竹田)