
本日はイベントでした。
名曲を深掘りする。今日はマーラーの2番「復活」。
数字的に、マーラーの交響曲の中の2番目というだけで、解像度とか分解能的にオーディオで再生するのには面白く、これまではただただ音的な面白さで1楽章をかけていて、全体像として捉えたことは皆無でした。
それが今日のイベントのお話でとても意味深いものとなりました。
キリスト教文化における死生観としては、人生の山を迎えた後は降りるだけのところ、マーラー自身が、じぶんで(20代後半で)その人生の山を作って、それを超えて復活するという通過儀礼を自分で作って乗り越えるというのがこの2番という曲そのもので、さらにはこの複雑に入り組んだ細やかな作り込みを現代のオーディオでやっとこさ再生できることで、マーラーの「復活」が初めて世の中に復活したともいえるわけで、これはものすごく現在を生きるものにとって意味深い交響曲だと思われました。
ただし、それでも思考的には「若さ」が否めないなみたいな話もあり、物凄く面白い内容でした。半年後くらいに今日のイベントの文字起こしがネットで見られるはず。
私にとっては、営業とかは関係なく、こういうイベントをすることで、オーディオがどれだけ音楽に貢献しているか、この音が聞こえなければ、この考察はない、うらづけらないみたいなところで、文化的側面を際立たせたい。
オーディオはこの先無くなることはないでしょう。今マーケット的にはたぶん底辺です。でも、その価値はもっと知ってほしく、もっと喜ばれるべきものと思うのです。
だって100年前にマーラーはこれを作って、まさかこの音でアジアの島国の一角で聞いてるなんて、想像もつかなかったはずなのです。
それは音楽と演奏と録音と再生(オーディオ)がみんな頑張ってきた証なのです。それを私たちが享受できるのはとても、とても、幸福なことだと思います。
(竹田)