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昨日に続き、WE 91E。
今日はモニターシルバー搭載のTannoy GRFで聴きました。
普段店ではLINN SELEKT EOA(アンプ一体型)などで割と現代風に鳴らしているので、最初WE 91Eで聴き始めた時、やや古さを感じました。
ヴィンテージこういう風に鳴らすのか―みたいな感じ。
昨日PIEGAでモーツァルトのフィガロを聴いた時に胸がくッとする何とも言えない美音は、あぁこのアンプの音だったか‥とも思いました。

この音の感じで何を聴きたいかなぁ・・と色々ザッピングしていて、ラヴェルのボレロが聴きたくなります。
プレイリストに載せたのはグザビエ・ロト指揮、彼のオケのLes Siècles(レ・シエクル)の盤。

楽器の音色と存在感、音楽のほうからこちらにやってくる感じ、音場は広く深く、ふとした時にコンサート会場に居る感覚にもなって、ボレロの大きなグルーブに魅了されて止められなくなりました。

普段、店でゆっくり音楽を堪能しているかというと、実はそうでもなくて、当然ながら電話やご来店(ありがとうございます)の他、後輩からの仕事の確認や、スマホの通知によって意外と1曲を集中して聞くということはないのですが、今日たまたまこの15分はそうしたこともなく、かといって周りが仕事をしているしゃべり声や機械を触る音、窓も開けていたので外の車の音なんかも入ってくる中で、それがどんどん、ボレロの演奏の中に取り込まれて行って、演奏が進んでオケのボリュームが大きくなるにつれ、こちらの心が静かになっていくのか、音楽の外の世界から遠ざかっていく感覚。

GRFのモニターシルバーのあの有機的なカーブをWE 91 Eの300Bが駆動している。
今これにしかない音だと思いました。

そして私の絶大なる信頼を獲得しているPIEGA COAX411で同じ曲を聴いたのだけれど、やはりそういう風にはいかなかった。
これはきっちり現代の録音であるロトの演奏を鳴らしていました。そして音場も奥に広がり、素晴らしいのだけれど、思わず早回しして、最後がどんな風に鳴るかを確認してしまった。

ロトの楽団のレ・シエクルは、作曲当時の楽器などを使って演奏する楽団だったと思うので、この盤について詳しくは今わからないのですが、そういうこともあるのかもしれない。

ただ、何度もこのブログに登場するラヴェルのピアノ協奏曲の第2楽章、これについてはPIEGA COAX411のほうが響きに内包する何か繊細な心持を表現していた。

いや、どちらのラヴェルも素晴らしくて、 今日はなんだかいい1日になりました。
(竹田)

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