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本日のラウンジイベント、クロサキ教授のオーディオ哲学サロン第3回目でした。世界的なトラヴェルソ奏者の有田正広さんをお招きして、お二人の愛聴盤を聞くという会。

使ったスピーカーはこの3種類でした。

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現代のスピーカー、Brodmann(中央)のフラグシップ。このメーカーの特徴は、すべて2ウェイで、ネットワークをごくごくシンプルにしていること。そして、注目すべき点は、一切の吸音材を使っていないことです。スピーカーでは稀有なこと。さらに、位相特性、スピードは、耳で合わせて作られているというので、まさに楽器です。

ちなみに、フロントに見える4つのツイーターのほかに、左右側面に、合計10個のウーファー(うち、2つはフルレンジ)を搭載。4個のツイーターは、スピーカー背面のスイッチにて3段階の切り替えが可能。0dB(ツイーター2つだけ)、+3dB(ツイーター4つ)、+6dB(ツイーター4つで更にゲインが上がる)の切り替えが可能。

左端のスピーカーは、ご存知Tannoy Autograph。しかし、これはちょっと特別仕様。なんと、モニターシルバーを搭載しています。

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みてください、このカーブドコーン。モニターレッドでも古い時代のものはカーブドコーンですが、後年はほぼストレートに近いカーブになります。この美しいカーブは有機的で、人体のカーブに近いように私には思えます。

うちの古株は、今まで何度か聴いたモニターシルバーの中でも、これはとりわけ古い時代のものだろう。音がそういう音である。しかも、このように状態のよいものはありえないとのこと。

(この辺、また写真と一緒に別途アップします)

キャビネットは、サウンドクリエイトのオリジナルですが、オートグラフの構造を精密に再現しながら、スピードを出すために英国オリジナルのGRFの素材を参考にしました。硬めでクオリティの高いフィンランドバーチを採用。

英国オリジナルで、モニターシルバーがオートグラフに入っていたことはありませんが、この組み合わせは素晴らしかったのでした。

もう一つ(右)は、これも英国のVitavox。CN191。クリプシュホーンの2ウェイ。ご縁あって、国内に輸入された最初期のキャビネットが入り、それに15/40という、世にも希少なウーファーを搭載。一般的に聞かれるのは157でフェライトマグネット。155(フェライト)でさえ希少ですが、更に遡り、アルニコ時代の152、151、150、一番古い時代の15/40を搭載しています。

スピーカーはこの3種。それを真空管、シングルアンプで、全部鳴らしてしまいました。

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OCTAVE V16。

今日は、かける音楽によって、スピーカーを変えましたが、更にアンプのバイアス(ハイ/ロー)を変えることにより、より音楽に沿った演奏をいたしました。

例えば、

ブリュッヘンのヘンデルのトリオ・ソナタはVitavox(アンプ:ローバイアス)

同じ奏者ブリュッヘンでも、ソプラノリコーダーのFranzogische Blockflotenmusikは、Tannoy モニターシルバー(アンプ:ローバイアス)。

同じTannoyでも、現代の録音、有田氏指揮、仲道郁代がプレイエルピアノを弾くショパン ピアノコンチェルト2番は、アンプをハイバイアスに。

クロサキ教授がはまっているロンドン Kingswayホールで録音されたアンセルメ指揮下「The Royal Ballet」は、Brodmannの+3DB。

ロストロポーヴィチ、ブリテンのシューベルト「アルペジオーネ・ソナタ」は、Brodmann 0DB…

という具合。

準備の時に決めたのと、観客席30席が埋まってからでは、また部分的に異なる設定だったかも知れませんが、それは今後の課題として。

今日のような体験は、まさにレコードを演奏する…ということで、まだまだ至らぬところがあり挫折を感じましましたが、「レコード演奏」という、それは、つい先日亡くなられたオーディオ評論家、菅野沖彦先生の教えでもありました。

生前、弊店のスタッフ向けにも数回ながら、直接お話し頂く機会をいただきましたが、その教えはオーディオを扱う者にとって一つの指標でもありました。

演奏家とレコード愛好家の対談を通して、さまざまな思いを抱きながらの1日となりました。

この場を借りて、菅野先生のご冥福をお祈り申し上げます。

(竹田)

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