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定休日は久々に体調を崩し自宅療養(!?)。
寝すぎて退屈なので、映画三昧していました。
なんだかんだと4本くらい見た中の2本。
ドキュメンタリー映画です。
と言っても、弊店ブログをご覧の皆様にはあまり食指が動くものではないかもしれませんが・・・。
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左: Fendi By カール・ラガーフェルド コレクション前夜
右:ディオールと私
ファッション業界、とりわけハイブランドでは、NY、ロンドン、ミラノとコレクションが、春夏、秋冬とあり、さらにオートクチュール(要はオーダーメイド)のコレクションがあります。(たぶん。今はもっと細かいのかもしれません?)
このドキュメンタリーでは、コレクションまでのモノづくりの流れを描いているのですが、これがまるでオーケストラと同じ。

要は、デザイナー(指揮者)がいて、それを形にするメゾン(オーケストラ)がいて、形にするまでの経緯や手法などは、デザイナーによって異なり、メゾンとデザイナーの関係性も複雑です。

Diorの方は、当時44歳のラフ・シモンズ。元ジル・サンダーのデザイナーで、ベルギーの田舎で育ったという彼が、初めてオートクチュールのコレクションのデザイナーに抜擢される。しかも伝統と格式あるメゾン「Dior」。
メゾンのお針子は、33年働いているという古株もいて、それぞれに自負もある。
その彼らが若いデザイナーをどのように迎えて、彼がどう指揮するのか・・。
そんな話なのですが、彼の場合は、ドレス1枚にあたり様々なイメージの画像や写真などを集めて、それをメゾンに渡し、彼らがデザインを考え、その中から選び取り、ドレスを作り上げていく。

反対に、Fendiのカール・ラガーフェルド。
Fendiは、1925年ローマで創業の毛皮の老舗ですが、カールがデザイナーとして招かれたのは1965年。
この映画で取り上げられた2009年コレクションの時点ですでに44年の付き合いがあるということ。
カール、当時75歳。映像の中でも「カール大帝」と呼ばれていましたが、ファッション業界におけるその領土・・業績は多大なるものです。
メゾンへの滞在はたったの2時間で、その場で口頭で説明しながらデザイン画をパパっと描いて、それをメゾンの長(いわばコンサートマスター?)に渡す。彼女がそれを読み解き、パタンナーやお針子さんたちに指示が出される。
「カール大帝」の下で働けることに、同じ空気を吸えることに喜びを感じているスタッフがほとんど。
(ちょっとマイケル・ジャクソンの映画「This is it」を思い出しました)

それぞれ性格も年もキャリアも異なれば当然のこと、スタッフとの関係もすごく違うのです。
まるきり、そのままオーケストラの世界で、結構興味深いものでした。

たまには奥様とご一緒にいかがでしょう??

追記 後日談として、ラフ・シモンズは初回のコレクションで成功を治め、その後3,4年Diorで勤めたのち、しばらくしてファッション業界を離れています。
ここの数年のSNSがからんでの業界のスピードの加速に、作り手として疲れてしまったとか。
面白いことにKvadrat社(ヨーロッパ最高峰のテキスタイルのメーカー)で、生地デザインをしているのだそう。
Kvadrat社と言えば、あれです。
ウチで扱うVIFAのスピーカーや、デンマークヴィンテージチェアの張地によく使われています!
ラフ・シモンズのデザインの生地は、彼の名前が入っているようなので、関係ないとはいえ、なんとなく、「あら、こんなところでつながった」。

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