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この数年、オーディオ周りのことでご新築の設計段階から、話に加わらせていただくことが増えました。

そこで感じたのは、設計士さんは設計のプロであってオーディオのプロではないこと、電機屋さんは電機のプロであってオーディオのプロではないこと、作り付けの家具を担当する家具屋さんはやはりオーディオのプロではないことを、ひしひしと感じました。

それは当然のことなのですが、一番重要なのは、住む人、お施主さんであって、お施主さんはきっとこれまで夢に描いていたことを実現するために家を作る。人生何度もある機会ではありません。

配線はなるべく目立たないように、しかし音はよく。

そうすると、実は電機のことも部屋の響きや、機材の置き方をトータルでわかる必要があります。かつ、部屋の雰囲気を壊さないこと。

それは設計士さんとも電機屋さんとも家具屋さんとも実はかなり細かく(あるいはポイントを抑えた)打ち合わせが必要であって、オーディオの主張ばかりするのではなく、理解してもらって手をつなぐことが必要です。

これはかなりコミュニケーション力がいることがわかってきました。相手はオーディオのプロではない。どこまでこれが重要かを理解してもらうために、くだいた説明、いかに重要かをわかってもらう、譲れない部分は譲らない(電源の2芯や、分電盤の最上流など)。

でも、相手にこれがどのように大切なことがわかれば、人が大切にしていることをひっくり返す人はそういません。なので、遠慮なく主張し、しかしできる範囲のことに耳を傾け、最適解を探せるよううまくやり、最終的に見た目も音も良くて、誰からのそんなやりとりは知らなくともそこに住む人がとても快適に過ごせること。それがとても重要。

オーディオがどれだけ電機や環境で苦労を減らせるかは実は私たちが一番知っているのです。

最近それをしみじみ思い、必要なことは絶対に譲らない私です。

(竹田)

これは1930年のパリ万博で、アメリカが出展した壁紙の見本台帳の一部。

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