改めて、「いやあなた、『コンサートマスター』と呼ばれるだけの価値がある。」と感心しました。
何の話かと言うと、これです。右の写真のf字孔のあいた竹の集成材でできたボード。
初めて見るぞ、という方の為にご説明申し上げますと、FUHLENという輸入代理店(PIEGAやOCTAVE、NuForceを扱う)が、オリジナルで作成したボードです。
ヴァイオリンなどに見られるf字孔が中央に配されたもので、主にスピーカーボードやアンプ用ラック用のボードとしてお使い頂けるように、様々な大きさをラインナップに備えています。B&W802Dや、JBL9900などもこのボードを使うと、驚くような抜けと、地を這うような低域が得られ、スピーカーの実力を十二分に発揮してくれます。
ラインナップの中に、縦横240×210のサイズの小さなボードがあります。
これは調音用として販売されていますが、これが「コンサートマスター」という異名を持つ、びっくりボードなのです。
その所以は、(ちょっと前置きが既に長いのでまいていきます)2本のスピーカーが設置されたその空間に向かって、左斜め前、そうオーケストラで例えるなら、丁度コンサートマスターの座る位置あたりの床にこのボードを置くと、なぜか音の調和がすごくうまくいき、音楽全体のハーモニーがよくなるのです。
そんな位置に置いたらボーカルが中央に来ないでしょう、と思うでしょう?
これがまた、不思議なことに、余計に輪郭がしっかりと出て、しっかり舞台の真中で歌うんです。
以前は、コンサートマスターの位置と、ソリストのヴァイオリンの位置と間違えて、なんかイマイチ効果が出ない・・・と思ったこともありましたが、最近はしっかりコンサートマスターの位置を把握して、よい調和を得られます。
スピーカーの振りによって、この位置は変わるので、(オーケストラの位置が、どのような弧を描くかイメージするとわかりやすい)
お持ちの方は是非お試しになられてみてください。
それから、先日の発見(というか、今日の本題のはずだった)ですが、横長の部屋(横壁の長さ:部屋の幅=1:3くらい)で、スピーカー位置とリスニングポイントが割と近い環境でこのボードを使用した時のこと。
通常、リスニングポイントに向かってf字孔が広がるように置きますが、この横長のお部屋では、f字孔を逆向きに向けた方が、奥行きが広がり、S/Nが良くなりました。
一通りでは収まらない、このチューニングボード、改めて注目中です。
(竹田)