先日のこと。LOUNGEのドアがゆっくり開くと、普段あまり弊店ではお見かけしない素敵な女性が。お友達と二人で店内を見渡され、あれかも!と、一直線にLP12へ向かっていかれました。
アナログにご興味をお持ちですか?とお尋ねしたところ、「星野源さんがこのプレーヤーを使っているんです!」。
それで、星野源がどんな音で聴いているのかご自身も聴いてみたいとLINN レコードプレーヤーと検索して辿り着いたのが弊店LOUNGEだった。今度、源さんのレコードを持ってきたら聴けますか?とのこと。
相当なファンです。そして気質的には上質なマニアかと。私は恥ずかしながら恋ダンスしか知らず、星野源さんはレコードを出していることも存じ上げなかったのですが、お嬢さんのその熱意には圧倒されました。
もちろんです!ぜひです!聴いてくださいと名刺をお渡ししたところ、しばらくしてからお電話があり、レコードご持参で来店されました。
「初めてこのレコード聞くんです」と、大切そうにレコードをビニールから出す様に、こちらはなんとなくオジサンの気持ちになり、キュンとしてしまいました。
ほとんど微動だにしないくらい、真剣にレコードを聞かれ、途中話しかけた時も、静かに頷き、レコードが終わった最後の最後に、やっと、「こんな音が入ってたんだ〜。」と満面の笑み。
ちなみにこの日はAkudorik EXAKTで聞いていただきましたが、星野源さんはネットサーフィン情報によると、Boenickのスピーカーをお使いのようでした。
むかし、5丁目店でベラティオーディオをよく鳴らしていた頃、キース・ジャレットが使っていると聞いたり、「モオツァルト」を執筆した小林秀雄はTannoy ⅢLZを使っていたとか、そういう話はよく聞きます。白洲正子はDECCA DECOLAをつかっていた?と読んだことも。
私が好きな人たちは、とっくに、亡くなっているけれど、どんな風に聴いていたのかな。
生きた音というのは、その主人が居る間だけのものだけど、書いたものや音楽など、残されたものから想像をしてみるのは楽しいことかもしれません。
(竹田)